中国メディア・東方網は11日、バレンタインデーに職場の男性に「義理チョコ」をあげる日本の習慣に異変が生じており、「ハラスメントだ」との声さえ出ているとする記事を掲載した。

 記事は、「毎年2月14日のバレンタインデーに、男性の同僚に義理チョコを送るという『強制的』な習慣に対して、女性たちがボイコットしつつある」とし、数千円単位にもなる義理チョコを渡すことに対してますます多くの女性が不満を覚えていると伝えた。

 そして、東京のあるデパートが女性を対象に実施した調査で、バレンタインデーにチョコレートをあげる相手として最も多かったのが「自分自身」で60%に上ったと紹介。以下、家族、恋人や好きな相手と続き、男性同僚に対してチョコをあげる人は35%にとどまったとしている。

 また、義理チョコがハラスメントに相当するとの考え方も出ており、一部の日本企業では「義理チョコ禁止」のお触れさえ出ていると説明。「禁止される前は、いくらのチョコレートを買って、誰に渡すべきか、誰に渡さなくていいかを考えるのがとても煩わしかった」という女性の意見を紹介した。

 バレンタインデーに女性が男性にチョコレートを送るというのは、日本人にとっては非常になじみ深い習慣だが、世界的に見れば決してそんなことはない。記事は、日本で「バレンタインにチョコ」という概念が浸透し始めたのは1950年代中期以降であり、現在ではこのバレンタインデー前の数日間で年間販売量の大半を占めるチョコレートが売れる状況であると説明した。

 そして、バレンタインデーに向けて航空会社が乗客にチョコレートを配布する、入浴施設で「チョコレート風呂」がお目見えするなど、日本国内で様々な動きがみられる一方で、「義理チョコのボイコットは、メーカーや店舗に、販売戦略の転換を迫ることになる」と伝えている。

 クリスマスのフライドチキン、節分の恵方巻同様、バレンタインデーのチョコレート、そして、「ホワイトデー」はいずれも商業者が仕掛けた販売戦略がヒットし、習慣化したものと言える。中でも商業的な色彩の強い「義理チョコ」は前時代的なものになりつつあるようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

バレンタインデーにおける日本独特の習慣が、崩れようとしている=中国メディア