タトゥーを彫るといっても、隠れる部分に1か所彫るだけの人もいれば見える部分に派手に入れる人もおり、その様々なタトゥーには本人の思いが込められているといってもいいだろう。このほど、体の99%をタトゥーで埋め尽くしたオーストラリアに住む男性のニュースを『Brisbane Times』『The Sun』などが伝えた。

ニューサウスウェールズ州ブレードウッド在住のブレット・クロスさん(42歳)は、愛妻ドロシーさん、12歳と生後7か月の2人の息子たちと日曜日には家族揃ってスーパーへ買い物に行く家族思いの父親だ。しかし次男を乗せたベビーカーを押しながらスーパー内を歩くブレットさんの姿は、常に周りから注目される。というのもブレットさんは頭の先から足の先まで、プライベートな部分を除きほぼ全身がタトゥーで覆われているからだ。

ブレットさんがタトゥーに惹かれたのは2003年だった。当時、愛妻ドロシーさんへの献身的な思いを捧げようと、腰にドロシーさんの名前を彫ることを思いついたブレットさんは、タトゥーイストのジョージ・シアトスさんの店を訪れた。するとそれ以降、「もっとタトゥーを入れたい」と思うようになった。

「1回彫ったらまた次、というように病みつきになりました。ジョージから『彫り続けるなら派手にやらないと。小さいタトゥーばっかりだとかえって不格好に見える』と言われたこともあって、タトゥーを彫り続けたんです。」

2か月に1回2時間のペースで店に通い、時間にして合計およそ750時間、日数にして31日間、そして約9万豪ドル(約704万円)の費用をかけて、ブレットさんは1か所を除いて全身にアニメキャラクターや女性、魚、星など色々なデザインのカラフルタトゥーを彫った。その派手なタトゥーから強面に見えてしまうが、ブレットさんは穏やかで物静かな男性のようだ。

タトゥーがない自分だと、きっと街を歩いていても誰も注目しないけど、全身カラフルなボディーアートがあることで周りからの注目はいつも浴びていますよ。大抵はポジティブな声掛けをしてくれるので気分は悪くないです。でもやっぱり中には、『子供をあんたのようにさせたらダメだ』と言ってくる人もいます。私は、もし将来息子たちがタトゥーをしたいと言っても、本人たちが秩序ある生活をしていて、他人に不快を与えないようなものであれば、別に構わないと思っています。それに私は、ここまでタトゥーを彫ったことを全く後悔していません。」

過去に印刷工としてのトレーニングを受け印刷会社で働いたことがあるブレットさんは、皮肉にも当時はインクまみれになって仕事場から帰宅していたという。現在は、全身をタトゥーのインクに覆われた姿でビューティシャン兼ネイルアーティストとして働いている。仕事を変わる時の面接では不安に感じたこともなく、全身タトゥーが原因で仕事に問題があると思われたこともないそうだ。「人を見た目で判断しないことの大切さを伝えたい」と語るブレットさんは、一方でプライベートな部分のタトゥーについてこのように話している。

「今までの施術で一番痛かったのは掌へのタトゥーでしたが、あの部分も同じ程度の痛みではないかと思っています。いつかはあの部分にカラフル青い鳥なんかを彫りたいとは思いますが、ジョージとはもう付き合いが長いので、今では友人のようになっています。そんな彼に自分のプライベートな部分を見せることで、気まずい関係にはなりたくないですから。」

これにはジョージさんも「親しいとはいえ、まだそこまでの仲じゃないよ」と苦笑した。

このニュースを知った人からは「このタトゥーで雇ってもらえるのは驚きだ」「見た目も醜いし、周りを怖がらせるだけじゃないか」「なんでここまでしたいんだろう」といった声があがっている。

画像は『The Sun 2019年2月9日付「TATT’LL DO Dad spends £50K tattooing his whole body and LOVES it – because people stare at him」(Credit: BRISBANE TIMES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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