特徴のある帽子にメガネ、そして口の周りをおおう丸ヒゲ。一度見たら忘れられない風貌で、“キャラクターの濃さ”でいえば福岡のコーヒー界でも屈指だろう。そんな阿比留 英さんが店を開いたのは13年。糸島のレゲエの雰囲気漂う「ナッティドレッド」で働いたのちに、自家焙煎喫茶「珈蔵」(現・珈童)に入店。2年間焙煎などの修業を行い、そのあと自宅で焼いた豆を自転車で宅配するスタイルで経験と開業資金を貯めていった。

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そもそもコーヒーをやろうと思ったきっかけを尋ねると「奥さんがコーヒー屋をやるのが夢だって言ったんですよね。それじゃあやろうと」となんとも愛のある答えが。店内に地域探検で訪れた小学生の感謝の手紙を飾るなど、優しさにあふれている。

コーヒーはブレンドを3種類、シングルを7種類ラインナップ。「興味ある豆を飲んでほしいから、銘柄に関わらず全部400円で統一しています。うちはこれを飲んで欲しい! という主張はなくて、お客さんとの対話によって好みに寄せていく感じですね」。もし、好みがわからないという人が来たら勧めるのがスペシャルブレンドNO.2。「ブラジルやグアテマラをベースとした誰でも飲みやすくて、オールウェイズな味わいです。いい意味で80点の豆ですね」。

店構えも店主も、最初はちょっとクセが強いが、一度入ってみるとやみつきになる魅力を秘めている。

[あびる珈琲]福岡県福岡市早良区弥生2-1-1 / 092-407-9731 / 10:00〜18:00 / 日曜・月曜休み / 6席 / 禁煙 / コーヒー1杯 400円(九州ウォーカー・九州ウォーカー編集部)

スペシャルブレンドNO.2(400円)とチョコスコーン(120円)。スコーンはコーヒーを卸している「ヒッポー製パン所」のもの