チアリーディングの高校生日本一を決める、第29回全日本高等学校選手権大会。難易度の高い技を次々に成功させ、見事優勝したのは大阪の梅花高等学校チアリーディング部「RAIDERS」の皆さん。チームを代表して部長の下野歩実さん(3年)と副部長の林美菜瑞さん(3年)に受賞の感想や、チアリーディングへの思いなどを伺いました。

決勝直前に言われた「自分スイッチ」という言葉

―― 優勝した感想をお聞かせください。

下野:すごくうれしかったです! ノーミスで演技が終わって点数が出た時点では、まだ優勝を確信したわけではありませんでしたが、信じようと思いました。最後のチームの演技が終わり、優勝だと聞いたときは「うわ〜!」という気持ちになりました。

林:うちの学校は中高一貫校で、私も下野さんも6年間チアを続けてきました。「今までこのみんなとチアをやってきてほんまに良かったな〜!」と思った瞬間でした。


―― 優勝できた一番の要因は何だと思いますか?

下野:普段から部員には「最後は自分の力で立って」と伝えてきましたが、今日の決勝直前にコーチから「自分スイッチ」という言葉をいただきました。その言葉でみんな一気にスイッチを入れられたと思います。

林:最後は自分でやるしかないので、その覚悟を決めて決勝の舞台に立ったことが今回の結果につながったと思います。

「全部が見せ場」の演技に会場も大盛り上がり!

―― 今回のテーマや振り付けについて教えてください。

下野:私たちは年に4回の大会に参加していて、大会ごとに演技内容を変えています。私たちの実力に合わせてコーチがテーマや振り付けを考えてくださっています。

林:今回の演技のテーマは「全部が見せ場」。 難易度の高い演技を目指しました。


―― 大会に向けて、どのような練習をされましたか?

下野:練習時間は平日は16時から19時まで、日曜・祝日は9時から18時まで。この日のこのマットの上に自信を持って立ち、全てを出し切るために、詰めに詰めて練習してきました。演技が終わったあとは息が上がるので、基礎体力をつけるために5分間走や10分間走も毎日行いました。

林:体重や体脂肪も毎日計り、食生活や体型管理にも気をつけました。

最後の大会。これまでの思い。パーフェクトを目指した

―― 練習をする中で一番努力したことは何ですか?

下野:演技前にコーチに見送っていただいた後は、もう自分たちの力で立つしかありません。部長として、みんなに「自分で立つんだ」という気持ちを持ってもらうために常に声がけをしてきました。強く強く強く!という気持ちを持ってやってきました。

林:今大会は、このメンバーでできる最後の演技。去年までの先輩方の思いや、たくさんの人に支えてもらったこと、夏の大会で優勝を逃して悔しい思いをしたことなどを胸に、みんなのためにも絶対に自分たちができることを最後までやりきろうと思いました。2分半、パーフェクトを目指してやり抜きました。


―― 大会全体を通した感想を教えてください。

下野:2日間楽しかったです! 他校の演技にも声援を送り合うのがチアの特徴で、良いところだなと改めて思いました。昨日はBチームの応援をして、ホテルに帰って「次は自分たちや〜!」と備えてここに来ました。これまでは大会後はとんぼ返りでしたが、今日は最後なので観光しようと思います(笑)。

林:いろいろなチームの演技を見て、やっぱりチアっていいなと思いました。演技を見た人に「感動した」「元気になった」と言ってもらえると、チアをやっていて良かったなと思うんです。



ノーミスの演技を披露し終わった後、会場内からは優勝を予感するような大きな拍手が起こりました。パーフェクトな演技をやり遂げた気持ちの強さや、不安を全く感じさせない自然な笑顔が印象的な皆さんでした。


profile】梅花高等学校 チアリーディング部「RAIDERS」
部長:下野 歩実(3年) 副部長:林 美菜瑞(3年)