
2011年5月末、日本人3人目の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在者となる古川聡氏がロシアの宇宙船「ソユーズ」で宇宙に飛び立つ。古川氏らクルー3人は、ニコニコ動画の独占インタビューに応じ、宇宙への思いなど語った。
今回の飛行でキャプテンを務めるアメリカ人のマイク・フォッサム氏は53歳。過去2回スペースシャトルにて宇宙を飛行した経験があり、過去には「きぼう」日本実験棟の船内実験室を国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けた経験がある。
フォッサム氏は、自分が子供の頃は人間が宇宙に行くことなど不可能だと思われていたが、自分の夢を信じ、情熱を持ち続けて努力することで夢は叶うということを、子どもたちに伝えたいと話す。また、宇宙飛行士には一生懸命努力して何事も学ぶ貪欲さと、ユーモアのセンスが同じくらい大事とした上で、
「宇宙ではいつも完璧に事が運ぶとは限りません。ですから、時にはそれらを笑えるくらいの余裕も必要です。仕事量が多く、何ヶ月もの長期滞在ですから、ミッション自体を楽しむ姿勢が大切です」
と笑顔で話した。
「ソユーズ」の船長であるロシア人のセルゲイ・ボルコフ氏は38歳。宇宙飛行士を父に持ち、世界で初めて親子2代で宇宙飛行士となった人物だ。
宇宙飛行士の資質について問われると、出身国に関係なく働き者であること、常に努力することが大切と語る。ボルコフ氏自身も、父親の影響を受けて宇宙飛行士になりたいという夢を抱くようになり、その実現に向けて努力してきたとのことだ。
■ 古川氏「自分がコントロールできないことを心配しても仕方ない」
日本人で3人目のISS長期滞在者となる古川聡氏は46歳。外科医を経て宇宙飛行士になった古川氏は、宇宙飛行士の訓練を12年に渡って積み重ねてきた。特に2003年にスペースシャトル・コロンビア号が空中分解する事故があった後は先が見えない時期もあったという。
それでも、「自分がコントロールできないことを心配しても仕方ない。自分にできることを毎日積み重ねるしかない」と考えて、訓練を積み重ねてきたとのことだ。「いつも物事がすべて順調にいくとは限らない。うまくいかないときにどう切り替えてやっていくかは大切」とした。
また、先輩の宇宙飛行士から受けた印象的なアドバイスとして、
「まずは自分の仕事をしっかりコントロールしなさい。それができたら、他人の仕事がコントロールできているかを見なさい。そして困っている人がいたら助けなさい。その2つがクリアできたら、カメラを持ちなさい。そして、他の人の様子をどんどん撮影しなさい」
と教わったといい、自身も撮影した写真をTwitterでどんどん公開していきたいと話した。古川氏のTwitterアカウントは@Astro_Satoshiで、現在は訓練の様子などを紹介している。
【関連サイト】
@Astro_Satoshi 古川聡氏Twitter
【NASA】第28・29次ISS長期滞在クルー特集
http://live.nicovideo.jp/watch/lv44855954
(番組はタイムシフト機能で2011年4月7日まで視聴できる)
(永井美智子)

コメント