2019シーズンも“蹴春”がいよいよ到来! 新シーズンの幕開けを告げるFUJI XEROX SUPER CUP 2019に先駆け、超ワールドサッカー編集部はJ1全18クラブを徹底分析。チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届けする。第14弾はセレッソ大阪を紹介。

タイトル争いに向けたカギは戦術の浸透ACL出場権争い》
※残留/ひと桁順位/上位争い/ACL出場権争い/優勝争いから選択

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一昨シーズンルヴァンカップ天皇杯の国内カップ戦二冠を成し遂げたC大阪だが、昨季はACL出場圏外の7位に甘んじるなど、一転して無冠という厳しいシーズンとなった。さらに、一部選手やクラブとの確執も噂された中、クラブに初タイトルをもたらした尹晶煥監督と袂を分かつことに。この監督人事の影響か、MF山口蛍とFW杉本健勇というユース出身の生え抜き、MF山村和也という3人の主力中の主力が揃ってヴィッセル神戸浦和レッズ川崎フロンターレというライバルクラブに流出する異例の事態となった。

そして、過渡期を迎える関西の名門の立て直しを託されたのが、スペイン時代にチャンピオンズリーグ(CL)やリーガエスパニョーラで指揮を執り、コパ・デル・レイの優勝経験もある名将ミゲルアンヘル・ロティーナ監督。バルセロナの流れを組む副官イバン・パランココーチと共に前所属先の東京ヴェルディでは就任前J2で18位に低迷したクラブを1年目に5位に躍進させ、昨シーズンは6位も昇格プレーオフを勝ち抜き、あと一歩でJ1昇格に導いていた。

クラブはそのスペイン指揮官就任に際して、前述の主力3選手の穴を埋める補強としてヴィッセル神戸からMF藤田直之ベガルタ仙台からMF奥埜博亮、北海道コンサドーレ札幌からFW都倉賢を補強。さらに、中盤にブラジル屈指の名門ヴァスコ・ダ・ガマで主力を務めたアルゼンチン人MFレアンドロ・デサバト、前線に昨季ブラジルのグアラニで16ゴールを記録したブラジル人FWブルーノ・メンデスという実力者を確保した。全体的な戦力ダウンは否めないが、若手の積極的な登用と選手の新たな可能性を見いだす慧眼を持つ知将の下でニューヒーローやコンバートによる覚醒が期待される。

今季のチーム目標はタイトル奪還に定められているが、現実的には一桁順位フィニッシュとACL出場権争いに絡むことだ。そのカギを握るのが、ポジショナルプレー、5レーン理論という欧州最先端の戦術への適応だ。とりわけ、徹底したライン統制を基調としたゾーン守備、GKを交えて後方からショートパスを繋ぐスタイル、試合中にも複数システムを使い分ける新たな試みにいかに早く馴染めるか。東京V時代は守備からチームを構築し徐々に攻撃に比重をかけるアプローチをしていたため、序盤戦は勝ち切れない試合が多くなることが想定されるだけに前線の個の力が重要となる。一方、スカウティングのスペシャリストであるイバンコーチの存在はチームの大きな助けとなるはずだ。

◆補強動向《C》※最低E~最高S

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【IN】
GK圍謙太朗(27)←アビスパ福岡/期限付き復帰
MF藤田直之(31)←ヴィッセル神戸/完全
MFレアンドロ・デサバト(28)←ヴァスコ・ダ・ガマ/完全
MF奥埜博亮(29)←ベガルタ仙台/完全
MF丸岡満(23)←レノファ山口FC/期限付き復帰
FW都倉賢(32)←北海道コンサドーレ札幌/完全
FWブルーノ・メンデス(24)←デポルティーボ・マルドナド/期限付き

【OUT】
GK永石拓海(22)→レノファ山口FC/期限付き
DF酒本憲幸(34)→鹿児島ユナイテッドFC/完全
DF田中裕介(32)→ファジアーノ岡山/完全
DF茂庭照幸(37)→FCマルヤス岡崎/完全
DF森下怜哉(20)→栃木SC/期限付き
MF山口蛍(28)→ヴィッセル神戸/完全
MF山村和也(29)→川崎フロンターレ/完全
MFチャウワット(22)→バンコク・グラスFC/期限付き満了
MFオスマル(30)→FCソウル/期限付き満了
MF沖野将基(22)→ブラウブリッツ秋田/完全
MF喜田陽(18)→アビスパ福岡/期限付き
FW杉本健勇(26)→浦和レッズ/完全
FW米澤令衣(22)→鹿児島ユナイテッドFC/完全

◆超WS編集部イチオシ選手
MF清武弘嗣(29)
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イチオシ選手は、新指揮官が最も期待する新キャプテンの清武だ。2017年の復帰以降、度重なる負傷の影響もありトップフォームを取り戻すのに苦労している清武だが、その高い戦術眼とテクニックはポジショナルプレーを志向するロティーナ監督のスタイルに間違いなく合致するはずだ。また、セビージャ時代にはややスタイルは異なるものの、戦術的に難度が高いサンパオリ監督の下でプレーしており、スタッフと選手の間に入って戦術の浸透を促す役割も期待される。複数のシステムを併用する中、主戦場は2列目あるいはインサイドハーフとなる見込みだ。その中で攻撃の起点となるハーフスペースの支配者として存在感を示したい。

◆注目の東京五輪世代!
DF瀬古歩夢(18)
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C大阪で注目する東京オリンピック世代は18歳の若手センターバックの瀬古だ。2017年クラブ最年少となる16歳11カ月でトップデビューを飾った生え抜きの瀬古は高い身体能力、安定した足元のテクニックリーダーシップに優れる日本のアンダー世代屈指の守備者。ここまでJ3に所属するセレッソ大阪U-23が主戦場だが、東京V時代から若手の積極登用の実績があるロティーナ監督は戦術理解さえ進めば、躊躇なくJ1デビューさせるはずだ。
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