昨季札幌を4位に導いた名将、チャナティップら東南アジア勢の活躍に言及

 昨季のJ1リーグで就任初年度にして北海道コンサドーレ札幌を4位に躍進させたのが、日本での豊富な指導実績を持つミハイロ・ペトロヴィッチ監督だった。タイ代表MFチャナティップがベストイレブンを獲得する活躍も見せたが、今後ベトナムなどの東南アジアからの選手が加入して活躍することを予感していると話す。

 “ミシャ”の愛称で知られるペトロヴィッチ監督に率いられた札幌は、昨季に大きく若返った。指揮官自身も「我々は資金力のあるクラブではなく、スター選手を獲得することはできない。若い選手を育てて中長期的な観点でやっていくのがビジョンだ。そのなかで昨シーズンは、ユース出身の若い選手もレギュラーを獲得した。こうやって若返りを図りながらやっていきたい」と話す。

 そのなかで、タイからやってきたチャナティップも大きく成長を見せた一人だ。アジアカップの戦いも見たというミシャ監督は、「ここ最近のアジアを見れば、レベルは拮抗してきているだろう。少し前であれば、東南アジア諸国や中東の国はそれほど強豪と認識されていなかった。アジアカップを見れば底上げは明らかであり、カタールの優勝も予想されていなかっただろう。韓国やオーストラリアも早く敗退した。日本が決勝に残れたのは良かったことではないだろうか」と、アジア全体のレベルが上がっていることを話している。

 そして東南アジアの選手がJリーグにやってきて、活躍する流れが生まれつつあることを、日本で14シーズン目の指導に入る指揮官は前向きに捉えている。

Jリーグ東南アジアで人気が出て、価値が高まるのは非常に重要」

「これまで日本にやってきて活躍するのは(アジアでは)韓国人選手が多かっただろう。アジアカップベトナムも非常に面白いチームであり、選手のレベルも上がっていた。そういう意味では、これから東南アジアの選手たちがJリーグに来て活躍する機会があると思う。そうした選手がJリーグで活躍するのは、我々のJリーグ東南アジアで人気が出て、価値が高まるという意味で非常に重要なことであり、そうなっていってほしいと思っている」

 札幌は雪国というその地域性から、タイ、沖縄とキャンプ地を渡り歩き、現在は熊本で第3次キャンプを張っている。指揮官は「そのなかでも選手たちは非常に良いトレーニングを積んでいる。目標は常に、昨季を上回る成績を残すことだ」と、さらなる躍進に野心を見せた。2年目を迎えるミシャコンサドーレの攻撃的なサッカー、そして昨季ブレークしたチャナティップの活躍にも注目が集まることになりそうだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

コンサドーレ札幌のペトロヴィッチ監督【写真:Noriko NAGANO】