岩村明憲プロ野球キャンプレポート第二弾。

ヤクルトスワローズメジャーリーグ、日本代表で活躍し、現在はBCリーグ福島レッドホープスで監督兼球団社長を務める岩村明憲さん。宮崎で行われているオリックス・バファローズキャンプを視察して感じた、今年のオリックスのポイントは…。

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外国人野手の切磋琢磨と先発ローテ争いに期待


 オリックスは新体制になり、西村新監督もそうですが、田口さんが二軍監督から一軍の野手総合兼打撃コーチにポジション替えしたことも、チームに良い影響を与えると思います。

特に感じたことは、外国人選手が面白いですね。視察に行ったのは2月の頭でしたけど、準備万端と感じました。新加入した26歳のジョーイ・メネセス選手は良かったです。性格もいいと聞きました。元々いるロメロ選手やマレーロ選手など、外国人同士の切磋琢磨、競争があると思うので、それがいい方向に働けば強いですね。吉田正尚選手はケガ次第ですけど、ケガさえなければ期待できますので、打線は脅威になるのではないでしょうか。

チーム力として、課題はピッチャーですね。西投手、金子投手と先発ピッチャーの柱となる2人が抜けたということは大きいです。ディクソン投手は安定していると思いますが、期待は3年目の若手、山本由伸投手ですね。真っ直ぐとカットボールとフォークが良かったです。私の高校時代の先輩でもあるオリックス平井正史投手コーチとも山本由伸は楽しみだと話をしました。

投手陣で言えば、38歳になる岸田投手も頑張っていましたね。視察に行ったのが2月の早い時期だったのですが、その時から岸田投手はすごく球数を投げていました。オリックス2年目となる増井投手もブルペンで投げていましたが、まだ早い時期ということもあって、出来上がってはいないようでした。ただ、彼レベルの選手はこれから調子を上げていくので、心配はないと思います。

先発ローテに関しては、オープン戦だけに限らず開幕してから、勝ち星がついて自信をつけたピッチャーがローテを守ることになるでしょうね。たくさん候補がいる中での競争です。先発が不安定になる分、バッターがカバーできるようにしていかないといけないですね。

新加入の成瀬、復活して西村監督に恩返しを

 視察に行った日はちょうどヤクルトから戦力外になった成瀬投手のテストの日でした。オリックスへの入団が決定しましたが、成瀬投手は西村さんがロッテを率いていた時のエースなので、試合を作ってくれるであろうという信頼関係でしょうね。人間性はいいですし、後輩に教えたりとかもできるでしょうし。彼は賢いので、自分がどういうタイプなのかということをわかっていると思います。モデルケースで言えば、ヤクルトの石川投手や、その上を行けば山本昌さんのようなピッチングスタイルを目指していって欲しいですね。

成瀬投手がFAで期待されてヤクルトに行ったものの、満足いく結果を出せなかったのは、「よそいき」の野球をしてしまったからだと思います。私も「よそいき」の野球をしてダメだった経験があるだけに、自分らしい野球をやってもらいたいです。そして、西村監督が拾ってくれたという感謝が彼の中にもあると思うので、松坂大輔選手みたいに勝って復活、恩返しをしてくれれば嬉しいですね。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

オリックス成瀬、復活の鍵は「よそいき脱却」 岩村明憲キャンプレポート2