パトカー(akiyoko/istock/Thinkstock)

警察のもとにかかってきた「これから死にます」という1本の電話。駆けつけた警察が目にしたのは、自宅で倒れている3人の家族だった。この痛ましい事件に、ネットからは悲痛の声が相次いでいる。

 

■無理心中を図った可能性

1月1日午前6時20分ごろ、さいたま市浦和区内のある家から110番通報を受けて駆けつけた警察。倒れていたのは、男(67)とその妻(64)、長男(31)だった。

この事件で逮捕されたのは、なんと父親の男。男は自ら通報し、長男の首をしめて殺害。無理心中を図ったとみられている。妻は首に軽傷を負い、男も首に自分でつけたとみられる切り傷が確認されたが、2人の命に別条はなかったそうだ。

 

■「夫婦はもの静かで性格が良い」

長男は精神科の通院歴があり、長年介護が必要な状態だったとみられている。同じマンションに住む女性は、この長男が散歩するのをよく見かけたという。

女性は「夫婦はもの静かで性格が良く、(長男を)長年大切に育ててきた印象」と語り、「どんな事情があってこうなってしまったのか」と驚いたそうだ。

男は現在「何も言いたくありません」と話し、容疑を否認しているとのこと。

■「これはつらい」と悲鳴相次ぐ

父親が自ら家族に手をかけるというこの痛ましい事件を受け、ネットからは悲痛の声が相次いでいる。

「子供ができたばかりの頃は、まさかこんなことになるなんて思ってもみなかっただろう。お悔やみ申し上げます」

 

「これはつらい…。このとき家族はどんな気持ちだったんだろう」

 

また、長男が要介護状態だったことを受け、「責められない」「家族だけの問題じゃない」と同情の声も多く上がっている。

「殺人は決して許されることじゃないけど、介護、しかも精神を病んだ人と向き合うというのは当事者にしかわからない苦労があったと思います」

 

「父親一人を責めることはできない。こうした問題は家族だけでなく社会の問題として捉える必要がある」

 

■2割「親族の介護経験あり」

しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,365名を対象に「親族の介護経験」について調査を実施したところ、約2割が「経験あり」と回答した。

介護経験

息子を殺めるという最悪の展開を迎えてしまったこの家族。言わずもがな殺人は許されることではないが、逃げ場がなかったのもまた事実なのかもしれない。亡くなった長男のご冥福を祈りたい。

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(文/しらべぇ編集部・清水 翔太

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の男女1,365名(有効回答数)

「これから死にます」と110番通報 警察が見た「衝撃の光景」に悲鳴相次ぐ