堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答えます。今回の相談者は小林紘子さん(仮名・36歳・IT関連会社勤務)。

「新卒から14年間勤務している会社が、半年前に別の会社に吸収合併されました。業績が思わしくないところを助けていただいたのが実情で、社員一同ホッとするのもつかの間、合併の翌日に社内の雰囲気が激変しました。

ミッションを押し付けられ、朝礼で行動規範を唱えさせられるなど、とても軍隊的です。どの部署も中間管理職が閑職に追いやられ、親会社から来た人が就任。それまでのんびりした雰囲気で、休憩時間に雑談をしていたのに、そんな雰囲気もありません。さらにはスケジュールなども2週間前倒しにさせられた上に、サービス残業を強いられるなど、成果第一主義に。共通スケジューラーで行動を管理され、次から次へと予定を入れられて、ランチをとる時間さえありません。

私は管理部門なのですが、営業の同期はさらに締め付けが厳しくなっていました。行動は徹底的に管理され、お客様と雑談する時間もなくなり、契約更新件数も激減。その結果、離職率は15%を超え、会社の業績もダウン

今はひとりひとりの仕事量が増え、キャパオーバーに。現場のことも知らず、親会社側は私達の業務の改善指示をしてきます。親会社側から来たた上司は、若手の子をかわいがり明らかに私に対する態度が違いますパワハラめいたイヤミを言われることも多々あります。加えて経費の精算方法ほか、書類の形式などが変わり、新たに覚えなければならない仕事も多く、過労とストレスメンタルをやられました。

うつっぽくなったり、むずむず脚症候群になったり、不眠症になったりしています。会社も休みがちになってしまいましたが、これは労災申請できるのでしょうか。そのために必要なことはありますか?転職したくとも、私の年齢では難しく、できればこの会社に勤めたいと思っています」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……?

労働災害で負傷した場合などには、労働基準監督署に備え付けてある請求書を提出することにより、労働基準監督署において必要な調査が行なわれ、保険の給付が受けられます。

その内容は、療養補償給付(医療費)、休業補償給付、障害が残った場合は、障害補償給付などです。

精神障害の場合,外部からのストレス(業務または私生活等)と本人の対応力のバランスが関係によって発病すると考えられており、労災として認定されるのは、その発病が業務による強いストレスによるものと判断されるものに限られます。

精神障害の労災認定の要件は次のとおりです。

(1) 認定基準の対象となる精神障害を発病している

(2) 発病前概ね6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められる

(3) 業務以外の心理的負荷や個体要因により発病したと認められない

あなたの身に発生した不眠などの諸症状については、個別事例ごとに具体的に検討されるので、あなたの会社の労働組合が機能しているなら、相談してみてはいかがでしょうか。もし組合がないようでしたら、労働基準監督署に相談に行くと言うのも、ひとつの選択肢です。

この半年間、気持ちは会社に行きたいのに、体が動かないという日々が続いている。

賢人のまとめ

自分の将来のキャリアを冷静に考えつつ、労働問題の専門家に相談に行くのも選択肢のひとつです。

プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/

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