土曜ドラマ『みかづき』(公式)、NHK総合2019年2月16日(土)よる9時から第4回「懐かし我が家」放送。
第3話も良かった。
吾郎(高橋一生)と一枝(壇蜜)。
夜の道、ふたりきり。
「田舎に帰るわ」「田舎ってどこ?」「聞いて……どうするの?」
最後に、一枝が吾郎の耳元で何かをささやく。

何をささやいたのか。
「無粋なことを聞くんじゃないよ」と吾郎は教えてくれない。
視聴者にも教えてもらえず。
口の動きから推測すると「好き」なのかなー。
ありえないが、希望としては「破廉恥」とささやいていてほしい。

吾郎は気づかない
古書店の一枝(壇蜜)からスホムリンスキーの本を紹介というか押し付けるようにして読まされる吾郎(高橋一生)。
さらに編集者を紹介され、吾郎は、スホムリンスキーの本を書く。
これがベストセラーに。
千明(永作博美)は、もちろんそれを喜ぶ(塾の宣伝にもなるし)が、一枝の影を感じて複雑な心境。
というか、露骨に屈折した感情を顔にあらわすが吾郎は気づかない。
という構図も、1話から二人の性格の対比がしっかりと描かれていて、腑に落ちながら、かつドキドキしながら観るハメに。

ドラマ版では、吾郎と一枝の関係は、いい感じのプラトニックなラブのように描かれている。
だが、しかし、騙されてはいけない。
ドラマ版「みかづき」は、吾郎本人が書いた物語を、孫の一郎が読んでいるという設定だ。

しかも、吾郎は一郎に「書かれてることがすべてじゃない。そこからこぼれてしまったこともいっぱいある」なんてことを言う。

しっかり破廉恥
原作小説は、「吾郎が書いた」という設定がない。
俯瞰した視点で物語が進む。
「こぼれてしまったこともいっぱいある」の「いっぱい」とは何か、そのヒントがある。
そこでは、吾郎は、しっかり“破廉恥”な男である。
一部だけ引用しよう。
“その日、吾郎は初めて約束もなしに一枝の部屋を訪ねた。原稿も携えずにふらりとあらわれた吾郎を、一枝は覚悟のまなざしで受けいれた。”
その後、どうなったかは原作小説を読んでください。(米光一成

土曜ドラマ「みかづき」
NHK総合:毎週土曜よる9時、連続5回。
毎週水曜深夜1時に再放送
2019年1月26日(土) 第1回「輝く瞳」
原作 森絵都
脚本 水橋文美江
音楽 佐藤直紀
出演 高橋一生 永作博美 工藤阿須加 大政絢 桜井日奈子 壇蜜 黒川芽以 風吹ジュン

公式
NHKオンデマンド