体長15メートルにも達する太古の巨大ザメ、メガロドン。
いくつもの映画や小説にインスピレーションを与えてきた恐ろしい捕食者であるが、これまで考えられてきたよりも100万年以上前に絶滅していた可能性があることが判明した。
絶滅した理由は、ホホジロザメとの争いに敗れたからかもしれないと、研究者らは推測する。
世界で発見されている化石の調査から、メガロドン(学名 Otodus megalodon)が絶滅したのは260万年前であるというのが現在の通説だ(諸説あり)。
じつはこの時期に超新星爆発が発生していたらしく、これによる放射線がメガロドンをはじめとする海洋生物の絶滅と関係するという研究もある。
しかし米チャールストン大学の研究者が『PeerJ』に掲載した研究論文によると、絶滅時期の推定に用いられた化石のデータには問題があるという。
信頼できる化石が示す絶滅時期は100万年以上早い
研究チームは、カリフォルニア州とメキシコのバハ・カリフォルニア州から発掘されたメガロドンの化石を、改めてすべて調査することにした。
すると、まともな化石がきちんと発掘されているのは鮮新世初期(360万年前)の終わりまでで、それよりも後の時代の化石については、来歴があやしく、ほかの発掘地で採られた可能性が疑われたり、もっと古い堆積物の侵食を受けていた痕跡が見られたりした。
こうした発見に応じて、データを統計的に分析しなおしてみたところ、メガロドンの絶滅は、これまで考えらていたより少なくとも100万年は早かっただろうという結論に至ったのである。
メガロドンの絶滅は大量絶滅と無関係
これはかなり重大な調整だ。
というのも、メガロドンの絶滅は、アシカ・セイウチ・カイギュウ・ネズミイルカ・イルカ・クジラなどが100万~250万年前に一斉に姿を消した時期よりも、ずっと前だったということになるからだ。
メガロドンの絶滅は、こうした海洋生物の大量絶滅と関係すると考えられていたが、どうやら直接的には無関係なようだ。
そもそも、この大量絶滅とされている現象が、本当に大量絶滅だったのかどうかもはっきりしない。100万から200万年前の海洋生物の化石はとにかく珍しく、そのためにこの期間は解釈の余地が大きいのである。
もしかしたら超新星爆発のような大災害によって大量絶滅が引き起こされたのではなく、古い動物が滅び、新しい動物に入れ替わるには十分な期間だったと考えることもできるのだ。
ホホジロザメとの競争に負けたことが原因か?
研究チームは、新しく進化した現代のホホジロザメとの競争がメガロドンの主な絶滅理由であるという可能性も、同じくらい考えられると述べている。
ギザギザとした歯が特徴のホホジロザメは、およそ600万年前に太平洋で登場し、400万年前までに世界の海に進出した。
ホホジロザメとメガロドンが同時に存在したのは360万から400万年という短い期間であるが、メガロドンが駆逐されるには十分な時間だったろうとのことだ。
References:Giant 'megalodon' shark extinct earlier than previously thought | EurekAlert! Science News/ written by hiroching / edited by parumo
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