松本人志

17日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、犬虐待動画のSNS炎上を取り上げられた。

 

■犬虐待動画が炎上

散歩中に犬の腹を蹴り上げる飼い主の動画がSNSに投稿されて炎上。動画投稿者は「直接注意することは怖くて出来ず、拡散してもらったのが大きい」と回答。

動画を目にした広島の動物保護団体が動画の風景と地図アプリを駆使して現場を特定し、京都で虐待されていた犬を保護した。

飼い主は「虐待ではなくしつけ。過度に怒りすぎることもありますが、その分かわいがっています」と主張している。飼い犬ラブラドールレトリバーは膝に傷があり、重度の膀胱炎を患っていた。

 

■松本人志、「正義感が怖い」と苦言

コメントを求められた松本人志は、複雑な表情を見せる。

「身内がしてたら、なにしてんねんと言う。みなさんと同じ意見なんですけど、ただ罪と罰のバランスが悪くないかと。ここまで全国ネットでやられて、全国民からボロクソに言われてしまうのか。気持ちは同じだけど、ぼくはそこまで言えないな…。

 

正義感ブームに違和感を感じる。でも正義感だからね。今、みんなは正義感をグゥーと来るから。俺もそこそこ正義感はあるけど、そこまで正義感ないから怖いわ、なんか。

 

普段、動物を可愛がっている芸能人が叩かれるならアレなんですけど、顔伏せてると言えども一般の方だし。悪いことで気持ちは一緒なんですけど、病気に対してお薬が強すぎへんか、と」

 

SNSで流行る正義の御旗の叩きへの違和感を吐露。古市憲寿が、これを受けて正論の取扱について語る。

「正論は誰にも批判できない。虐待はダメだとか、女性差別はダメだとか。否定できないからこそ、過剰になれば暴力になる。正論を振りかざす時は謙虚にならないといけないのに、燃え上がるのはどうかと思う」

 

正義を御旗にした暴力的なまでの熱量があるが、その対象を間違えて炎上させる問題もある。それと向き合う時期になってきたのだろうか。

■「正義感ブームへの違和感」に共感する声

視聴者のなかには松本の「正義感ブームへの違和感」の共感する人は多いようだ。

 

■青山テルマと古市でも意見が二分

青山テルマが正義のネットリンチに苦言を呈する場面もあった。

「救われていいな、とは思う。でも、動画をSNSに投稿する必要性はあったのかなと思っていて、保護団体や警察に直接いけなかったのか、と。

 

なぜかと言えば、これは虐待でしたが、虐待に見えちゃう勘違い動画が流れたとしたら、その動画は一生消えない。その人の人生は一生つきまとう。気持ちはわかるけど、怖さも感じた」

 

古市は、青山とは逆に肯定的なコメントも述べる。

「今回の件に関しては保護団体に連絡すべきだったかもしれません。でも、飲食店のケースのようなことが明るみに出る面もある。他の虐待動画を調べる人も増えて、総じると悪いこともあるけども良い面もあるのでは。

 

アップするのもまた一個の手段としてあるのかな、と」

 

手段としてのネットでの告発はあるべきなのだろう。だが、過剰になりすぎるのは問題だ。

 

■松本がぼやく「完全解決しない」

ペットのブタを溺愛することで知られる前園真聖が、悲痛の思いをコメントする。

「ペットは言葉もしゃべれない。飼い主は友達がいて、仕事をして色んな人に会う。ペットにとっては飼い主が一番で、飼い主しかいない。そういうペットに対して、あれは出来ないなと、ぼくは個人的に思います」

 

犬塚浩弁護士が今回の件について「今回の件は飼い主がペットを団体に預けた形でしかなく、もし所有権を放棄してないなら、飼い主がペットを返してほしいと主張すれば、団体はペットを返さなければならない」と述べる。これに対して、松本がぼやく。

「変でしょ。完全解決が全然しない。この人も散歩中ではしなくなっても、家の中ではわからないですから」

 

虐待されていたペットが一時保護されたことは喜ばしいことである。だがSNSで炎上しなければ保護されなかったのか。他に手段はなかったのか。炎上させることが本当に正義であるのか。

これをきっかけに、今後も考えていく必要がありそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・モトタキ

松本人志、SNSの正義ブームに疑問 「病気に対してお薬が強すぎへんか」