南アフリカ・ダーバンの北に位置するニューランズ・イースト地区の雨水管から新生児が救出された。雨水管はおよそ地下1メートルにあり、救助におよそ4時間もかかったが、この新生児は医師も驚くほどの回復を見せているという。『TimesLIVE』など多くの南アフリカメディアが伝えている。

近所に住むイーロン・ラブデールさん(Iyron Lovedale)は、最初「子猫が鳴いている」と思ったそうだ。しかしそのか細い声は止まず、近所の人も騒ぎ始めた。ラブデールさんが声がする雨水桝の蓋を開けて奥深くを覗くと、雨水管の奥に赤ちゃんがいた。

2月2日の早朝6時、通報を受けてダーバン捜索救難隊、国家警察、ダーバン消防隊、クワズール・ナタール州救急医療隊などが次々に到着したが、救助は難航した。赤ちゃんは道路側にある雨水桝から捨てられた後、雨水で雨水管の奥へと流れ込み、民家の庭あたりでとどまっていることが確認された。雨水管は地下1メートルの位置にあり、管の幅は大人が通れるほど広くはない。

そこでレスキュー隊は民家の大家に協力を仰いで庭を掘り起こし、土砂が落ちないよう板で壁を作った。さらにコンクリートでできている雨水管まで掘り進めた後、赤ちゃんを傷つけないようにノミやハンマーを使って雨水管上部に穴を開けた。

赤ちゃんは作業開始時よりさらに奥に流されており、救助には実に4時間近くもかかった。そのため一糸まとわぬ姿の赤ちゃんが無事雨水管から取り出されると、作業を見守っていた人々から歓声があがった。その後赤ちゃんはタオルにくるまれ、待機していたヘリコプターですぐに病院へと運ばれたという。第一発見者のラブデールさんは、メディアの取材に「私も5歳になる子がいるので赤ちゃんが無事に救出されたときは涙があふれた」と語っている。

赤ちゃんが搬送された「チーフアルバート・ルツーリ中央病院(Chief Albert Luthuli Central Hospital)」のティモシー・ハードキャッスル医師(Timothy Hardcastle)によると、赤ちゃんは生後1~3日しか経っていない女児でへその緒がついたままの状態で発見されており、雨水管に少なくとも4~5時間はいたのではないかということだ。生まれたばかりの赤ちゃんが、この状況下で生存していたことにハードキャッスル医師は驚嘆したそうだ。女児は搬送時に低体温であったが、レントゲン検査で異常は見つからず、現在は健康だという。

クワズール・ナタール州保健省のシボンギセニ・ドロモ医師(Sibongiseni Dhlomo)は、病院を訪問し「女児は今後小さい病院へ転院し、経過を見て安全な場所へ移ることになるだろう」と述べている。現在は赤ちゃんを遺棄した両親について調査が進められており、警察は殺人未遂での捜査を開始している。

画像は『TimesLIVE 2019年2月11日付「KZN doctor hails ‘miracle’ baby girl in good spirits after drain ordeal」(Image: Jackie Clausen)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

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