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5日、政府が10月から実施を予定している軽減税率制度導入による減収によって、約80億円が不足する見込みであることが判明。

財務省タバコ税の増税や総合合算制度の見送り、そして社会保障費抑制などを減収穴埋め策として用意している模様。社会保障費捻出のために増税するにもかかわらず、それを抑制することに批判的な声が上がっている。

 

■特定品目を8%に据え置き

軽減税率制度とは、平成31年10月の消費税率10%引き上げに伴って一部商品の税率を8%に据え置くもの。現在のところは一部を除く飲料食品と、定期購読契約をした週2回以上発行の新聞が対象だ。

さらに政府は経済対策としてクレジットカードカードや電子マネーのキャッシュレス決済に購入額の2%分をポイント還元する方針を表明。増税に伴う経済の落ち込みを最小限にするとしている。しかし、店舗運営者からは対応したシステムを導入せねばならないことや、クレジットカードの手数料負担増加に不安が集まっている。

 

■軽減税率に賛成する?

政府が導入を予定する軽減税率について、しらべぇ編集部では全国の20代~60代の男女1,664名に調査を実施。

結果、「軽減税率導入に賛成」と答えた人は44.6%。反対派のほうが上回る結果となった。

■職業別で意見に差が

次に賛成派を職業別に見てみると、傾向が出た。

専業主婦(夫)の割合が高く、51.5%と賛成者が5割を超える。やはり家計を預かるものとしては、直結する消費税は少しでも安いほうが助かるということだろう。

一方その他は軒並み割合が低く、税を自分で納付することが多い商工サービスや自営業は3割に留まる。会計処理の煩雑さや、導入に伴う設備投資用に頭を悩ませ「延期してほしい」と思っているのかもしれない。

 

■賛成者の意見は?

軽減税率導入賛成という主婦のIさん(30代・女性)に聞いてみた。

「正直消費税の増税については不満がありますが、少しでも税率が安くなるのなら、そのほうがいい。色々準備が大変なこともわかりますが、後々導入してよかったと思うときが来るのではないかと思います」

 

■反対者からは延期を望む声

一方反対しているのはシステム会社に務めるのOさん(40代・男性)だ。

軽減税率のために社会保障費を抑制するなんて本末転倒でしょう。務めている会社では既に軽減税率に対応したシステムを開発してありますが、営業して回ると『そんな金ない』という会社も多い。

 

それに選挙戦略で消費増税の実施を曖昧にして、なかなか発表しないじゃないですか。直前になって新しいシステムを入れろといわれても対応できない。先送りが妥当だと思う」

 

導入に不満を感じる人が多い軽減税率軽減税率の対象がわかりにくく、さらに増税自体に反対意見が多いため、「軽減税率も増税もいらない」と思っている人も多いのだ。増税、そして軽減税率はどうなるのだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2018年12月14日~2018年12月17日
対象:全国20代~60代の男女1,664名 (有効回答数)

導入による減収見込みで批判が集まる軽減税率制度 その是非を聞いてみると…