1月28日掲載のうまいめし記事(『孤独のグルメ』で注目度UP!初めて行くなら押さえたい全州話題スポット3選【韓国】)に続く、韓国の南西部にある全羅北道(チョルラプッド)旅行入門第2回目。
今回は全羅北道観光の拠点である全州韓屋マウルにある歴史スポットと、全州に来たら朝昼晩にかならず食べたいご当地グルメを紹介しよう。
朝鮮王朝を開いた李成桂ゆかりの慶基殿
1410年に創建された慶基殿(キョンギジョン)は、朝鮮王朝の始祖であり、初代国王である李成桂(イ・ソンゲ)を祀っている場所。
李成桂の肖像画・太祖御真が奉られた由緒ある宮殿で、敷地内には正殿のほかに廟や碑、李成桂の魂が宿って龍のように躍動する梅の神木など、貴重な史跡がある。
ドラマ『雲が描いた月明り』『宮 -Love in Palace』『明成皇后』『風の絵師』、映画『王になった男』などのロケ地としても有名で、韓流歴史ドラマファンなら興奮することまちがいなしだ。
全羅北道全州市完山区太祖路44
3~10月 9:00~19:00、11~2月 9:00~18:00 無休(李成桂の御真博物館は月曜休館)
全州の朝ごはん
韓国の食都といわれる全州のおすすめ朝ごはんといえば、コンナムルクッパ(豆モヤシの汁かけメシ)だ。
えっ! 豆モヤシ? 地味じゃない?
そう思うのも無理はない。日本では主役を張ることはまずない食材だ。
しかし、豆モヤシの名産地である全羅北道には、クッパだけでなく、キムチやチャプチェ(ハクサイや春雨の代わりに豆モヤシを使う)、ビビンパ(豆モヤシの混ぜごはん)、ムルカルビ(コチュジャン系のスープで豆モヤシと豚肉を煮る、すき焼き風鍋)、トルソッパ(豆モヤシと牛肉の炊き込みご飯)などがあり、主役級の食材であることがよくわかる。
それもそのはず、豆モヤシはきわめて栄養価が高い。ビタミンCやAを多く含み、繊維質やアミノ酸も豊かなので、腸をきれいにし、美肌効果もある。
冬場はビタミンCが不足しがちなので風邪予防にもなるという。
アルコールを分解するアミノ酸の一種であるアスパラギン酸を多く含むため、二日酔いや疲労回復に効果的だ。
アスパラギン酸が栄養ドリンクによく用いられていることからも、優れた食材であることがわかるだろう。
全州には、朝から行列ができるコンナムルクッパの専門店がいくつもある。
韓屋マウルから近い『全州ウェンイ・コンナムルクッパ』もそのひとつ。
イリコや牛肉でダシをとった上品な旨味のあるスープにシャキシャキの豆モヤシがたっぷり入っている。少し固めに炊かれたご飯とは相性抜群だ。
全羅北道全州市山区慶園洞2街12-1
24時間営業 無休 TEL: 063-287-6980
昼ごはん、夕ごはんのオススメは…
全州の昼ごはん
週末の朝、全州のシンボルである豊南門(プンナンムン)の近くにある南部市場を歩くと、一軒の店の前で長い行列ができている。
ピスンデという新鮮な豚の腸詰の入ったクッパの専門店『チョ・チョムネ南門ピスンデ』だ。
豚の腸詰は韓国ではごくありふれた食材だが、この店のそれは鮮度がちがう。
レバーペーストのような独特の香りがあるが、好みで副菜のニラやキムチ、コショウなどを加えると食べやすくなる。腸詰の中のペーストがとけたスープもコクがあり、最後の一滴までスプーンですくってしまう。
全羅北道全州市完山区殿洞3街2-198
24時間営業 無休 TEL:063-232-5006
全州の夕ごはん
全州といえば、ビビンパを思い出す人が多いだろう。
店名に“全州”を冠したソウルの有名店が石焼きビビンパをヒットさせて以来、全州ビビンパ=石焼きというイメージが定着してしまったが、本当の全州ビビンパは石焼きではない。
それを確認する意味でも、一度本場で食べてみるといいだろう。
『家族会館(カジョクフェグァン)』は全国から観光バスが乗りつけるような大箱の超有名店だが、味はしっかりしているので、全羅北道の食の豊かさと本物の全州ビビンパの姿を確かめるにはぴったりだ。
卵の黄身を中心に、ホウレンソウ、ニンジン、キュウリ、シイタケ、エノキダケ、ズッキーニ、ギンナン、松の実、キキョウの根など20種もの野菜が盛り付けられている。
“宝石箱”という形容は全州ビビンパに対して使うべきだろう。食べるのを忘れ、しばし撮影に夢中になってしまうが、真鍮の器で熱せられて出てくるので、アツアツのままいただこう。
韓国の人はコチュジャンをたっぷりかけて、これでもかとばかりにかき混ぜて食べるが、韓国通の日本人は、「せっかくの豊かな食材ひとつひとつをしっかり味わうために、半分だけ混ぜることをおすすめする」と言っていた。
主菜のビビンパ以外に、副菜がさらに10品ほど添えられる。さすが全羅北道、さすが全州と唸らされた。
全羅北道全州市完山区中央洞3街80番地2F
11:30~21:00 無休 TEL:063-284-2884
取材協力:全羅北道 国際協力課 国際交流係
コメント