小さな小さな『シヴィライゼーション』。
 文明の発展と技術の進歩、他文明との戦争を描いた、人類の歴史を再現したゲームCivilizationシリーズ
 iOSでも最新作『Sid Meier’s Civilization VI』や、家庭用ゲーム機向け改修版『Civilization Revolution』が公開されていますが、その『シヴィライゼーション』を小さくまとめた(早いときは5分で決着がつくくらい)アプリが公開されています。
 『ヘクソニア』(HEXONIAです。

 本当に4Xゲーム(『シヴィライゼーション』風のゲーム。探険・拡張・開発・殲滅の4要素を備えたもの)を、最小の構成で、面白さを損なうことなくスマートにまとめています。
 しかもアプリ無料で、スタミナや広告もありません。

 ただ、このゲーム2016年に公開された作品『The Battle of Polytopia』に非常によく似ています。
 正直、システムルールに「そのまんま」な部分が多すぎて、模倣作といわれても仕方のないアプリなのですが…… しかし後発だけあって、インターフェイスは洗練されています。
 日本語化されているのも嬉しいところ。

 難点は、序盤は簡単な難易度と小さなマップしか選べず、ストラテジーゲームに慣れている人だと、物足りないゲームを何度も繰り返さなければならないこと。
 しかしゲームテンポや操作感が非常に良いため、苦痛というわけではありません。

 この作品が無料というのはかなりお得ですが、有料の追加文明が用意されていて、これを買わないと大きめのマップで遊ぶことはできません(ちなみに”Polytopia”も本体無料で、追加文明が課金要素でした)。

 このレビューでは、オリジナルといえる『The Battle of Polytopia』についても触れておきたいと思います。

 ゲーム開始前に担当する部族(文明)と難易度、敵部族の数を選択します。

 ……といいたいのですが、前述したように最初は一番簡単な難易度と、最小の部族数しか選べないので、選択肢はありません。
 部族数が最小だと、マップも超小型になります。
 担当部族もヨーロッパ風のものしか選べません。
 他の文明や上位の難易度は、勝利を繰り返して実績を達成することで利用できるようになります。

 マップランダム生成で、最初は都市の周辺しか見えていません。
 まずは『シヴィライゼーション』同様、最初から用意されている兵士ユニットを動かし、周辺の土地の探索からはじめるのですが……。

 ただ、都市の近くにリンゴが落ちているはずです。
 これをタップし、2ゴールドを払って回収すると、都市の発展度が1マス上昇。
 もうひとつ回収して2マス上昇させると、都市のレベルアップします。

 都市がレベルアップすると、ターンごとの収入と人口(最大ユニット数)が増加。
 さらに「追加ボーナスをひとつ得られます。

 最初のボーナスは「5ゴールド」か「周辺の視野範囲を2マス拡大」。
 ここで「視野の拡大」を選ぶとかなり広範囲を見渡すことができるため、これを利用すればユニットを動かして周囲を探索する必要はありません。
 開始直後は、これを使って地形を確認するのがセオリーでしょう。

左はスタート設定画面。最初は難易度ビギナー、敵部族数は1しか選べません。
部族のひとつは自分が担当するので、敵部族数を2にしたいなら、計3つの部族がアンロックされている必要があります。
ゲームがはじまったら、首都の近くには必ず収穫物がふたつあるので、これを取ってレベルアップしましょう。
先に兵士を作って、資源回収は2ターン目にする手もありますがケースバイケース

 周囲を見渡すと、無所属の「村」が見つかるはずです。
 マップが小さいなら敵部族の都市も見つかるかもしれません。

 村はユニットを派遣して占領を行うことで、自国の都市にすることができます。
 このゲームは任意に町を作ることはできず、都市は村か他国の都市を占領して増やします。
 村の支配は早い者勝ちなので、見つけたらすぐにユニットを送り込みましょう。

 敵部族のユニットが近づいて来たら、都市を守らなければなりません。
 最初に選べるヨーロッパ風の部族「フレリア」には、最初から耐久力と反撃力に勝る「盾兵」がいます。
 これで守りを固めるのが基本。
 ただし、盾兵は移動後の攻撃ができないため、攻勢時には他のユニットが必要です。

 ユニットは自国の都市でゴールドを払って雇用できますが、都市の人口(ユニット最大数)以上にすることはできません。
 ユニットを増やしたいなら、村の制圧や都市の発展が必要です。

村に兵士が入ると旗のフキダシが出て、これをタップすると占領できます。
戦闘でHPが減った部隊は動かなければ回復可能。
回復量は領土内の方が2倍多く、「回復」のボタンを押さなくても、ターン終了時に動いていなくて回復可能なら自動で行ってくれます。
右の画像は兵士の生産画面。兵士は生産した都市に所属しますが、占領を行うとその都市に所属が移ります。

 ただし都市を発展させたくても、リンゴは取ったらなくなります。
 近くに畑のような場所があっても、そこから開発力を得るには「農場」の技術が必要です。
 また、盾兵を追加で生産したり、弓兵や槍兵を得るのにも、その技術を習得しなければなりません。

 画面下にある「技術研究」ボタンを押すと、ゴールドを使って新たな技術を獲得できます。
 ただしツリー形式になっていて、「弓兵」を得るには、その前段階となる「肉」の技術から取得しなければなりません。

 必要な技術があれば、大砲や騎兵、鉱山や伐採所なども作れるようになるでしょう。
 都市が高度に発展すれば、文明ごとに用意されているスペシャルユニットも登場します。

 また、忘れてはいけないのが「登山」の後に習得できる「道路」
 ユニットの移動速度が上がるのに加え、首都と都市を繋げれば双方の開発度が上がり、一石二鳥です。
 とはいえ、マップサイズが極小だとあまり必要ありませんが。

技術は後に取るものほど費用がかかるので、取得順も重要。
収入を増やすため、開発系の技術も軽視しないように。
「水辺&爆弾兵」の技術を取るとユニットが浅瀬に入れるようになりますが、深い海への移動は無理。
「海&提督」を取ると、深い海も通行可能になります。
爆弾兵は範囲攻撃が可能で、海に入っても砲船になって戦闘力が維持されます。
提督は海に入ると戦闘艦になり、この両者は海上用のユニットといえます。

 マップが小さいうちは、弓兵を作って遠くから都市を集中攻撃し、戦士を乗り込ませて制圧すれば、早期に勝利することができるでしょう。
 慣れれば5分かからないうちに決着がつきます。

 しかし、勝利を重ねることで上位の難易度がアンロックされ、そう簡単には勝てなくなっていきます。
 新たな文明も利用できるようになり、登場する文明数を増やせばマップも拡大。
 マスタークラス難易度になり、マップも広ければ、ストラテジーゲームに慣れたプレイヤーでも歯応えのあるバトルを楽しめるはずです。

 ただ問題は、そこまでが長い。
 ふたつめの文明「ハン族」をアンロックするにはハン族を5回倒す必要があり、3つめの文明「アラビス族」を出すには10回も倒さなければならない。
 しかもマップを大きくするには最低3つの部族がアンロックされていなければならないので、当面はマップは極小のまま。

 難易度も同じ難しさで3回勝利しなければ上位がアンロックされません。
 初心者向けに、少しずつゲームが拡張されていく形になっているようですが、ちょっとスローペース過ぎて面倒な印象です。

 また、敵部族の数を3にするには4つの部族がアンロックされていなければなりませんが、無課金で利用できる文明は3つなので、マップサイズそれなりの大きさにするには課金が必須です。
 まあ、無料アプリで広告もスタミナもないゲームなので、そのぐらいの課金要素がないと利益にならないとは思いますが……。
 課金部族はひとつ240円か360円で、現時点(2/1)では3つ用意されています。

バイキングのような部族「ラグナ」を利用するには360円の課金が必要。
他に蛮族やロボットのような、ユニークな部族があります。
右の画像は最大までズームすると表示されるビューモードマップを立体的に眺められます。

 本格的に遊ぶには500円ほどの課金が必要ですが、それを加味しても安いゲームだと思います。
 それぐらいシステム(模倣ではありますが)完成されているし、インターフェイスグラフィックサウンドなどもハイセンスです。

 なお、オリジナルといえる『The Battle of Polytopia』も、システムルールは変わりません。
 マスがヘックス(六角形)ではなくスクエア(四角形)ですが、『ヘクソニア』と同じように遊べて、同じような面白さがあります。
 しかもこちらには(2019/2/1時点で)14の文明があり、無課金でも4つの文明を利用できます。
 文明の購入価格も大半が120円で、こちらの方が安め。

 ただ、未行動ユニットチェックできる『次のユニット』のボタン『The Battle of Polytopia』にはありません。日本語にも未対応。
 また、画面をあまり拡大することができず、これはiPadプレイした時に問題になります(画面が大きくてもiPhoneと同じぐらいの縮尺にしかできない)。

 冒頭でも述べたように、演出やインターフェイス『ヘクソニア』のほうが良い印象。
 ただ、『The Battle of Polytopia』も基本は同じで、秀作として知られるゲーム
 どちらも本体無料なので、『ヘクソニア』を楽しめた人は『The Battle of Polytopia』も楽しめるはずで、その逆もしかり。
 どちらもおすすめの作品です。

こういっては何ですが、こちらが「原作」である『The Battle of Polytopia』。
模倣の是非についてはここでは述べません。
外見はかなり違い、『Polytopia』は元々「30ターンでのスコアを競うゲーム」だったので、スコアを稼ぐための建物があります。
『ヘクソニア』にはそれがない代わりに、特定のユニットが強化される特殊技術があり、他にも一部のユニットの特性が異なるなど、細かい相違点は見られます。

ヘクソニア

シヴィライゼーション』を最小化した文明興亡ストラテジー

(画像はヘクソニア – AppStoreより)

・『シヴィライゼーション』型(4X)ストラテジー
TOGGLEGEAR(韓国)
アプリ本体無料、課金コンテンツあり

iOS版ダウンロードはこちらAndroid版ダウンロードはこちら

The Battle of Polytopia

シヴィライゼーション』を最小化した最初のストラテジー

(画像はThe Battle of Polytopia – AppStoreより)

・『シヴィライゼーション』型(4X)ストラテジー
・Midjiwan AB(スウェーデン
アプリ本体無料、課金コンテンツあり

iOS版ダウンロードはこちらAndroid版ダウンロードはこちら

文/カムライターオ

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著者
Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングシミュレーションが特に好き。