茨城県つくば市に「WIT茨城スタジオ(仮称)」を開設予定のWIT STUDIOリアルイベントアニメスタジオミーティング(アニスタ)』を1月27日(日)、2月9日(土)、10日(日)に開催! 2月10日(日)のミーティングデーには秋葉原の「秋葉原エンタス」ならびに「ベルサー秋葉原」でステージイベントが開催され、そのレポートが到着しました。

「MAPPA『どろろ』スタッフトーク」より

2月10日(日)ミーティングデー・ベルサー秋葉原ステージの「MAPPAどろろスタッフトーク」には、音楽担当の池頼広氏、キャラクター原案の浅田弘幸氏、シリーズ構成小林靖子氏、MAPPAの大塚学社長、MAPPA企画部の木村誠プロデューサーが登壇。MAPPAの久保亨氏の司会でイベントは進行した。

TVアニメどろろオープニング映像が流れてスタッフ陣がステージに登場。浅田氏がイベント前日、小林さんが脚本を手がけた映画を子供と見に行ったが、まだ7歳なので『どろろ』は見せられない、といったトークを交えた挨拶でスタートした。

最初のトークテーマは「『どろろ』制作スタッフィングの裏話」。大塚社長が「企画がスタートしたのは2016年頃になります。僕と木村とツインエンジンの山本(幸治)さんが中心になって話し合いながら進めました。『将国のアルタイル』を手がけていた古橋監督が『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』など時代劇の経験もあったのでお願いすることになりました。小林さんとはこの作品が4作品目になるのかな」と語ると、小林氏は「そんなになりますか」と驚いた様子。小林氏は「原作がどんな作品かは知っていたので、これだけの大きな作品を今、どうアニメにしたらいいのか、ということが嬉しさよりも先に来ました」と語っていた。『どろろ』の原作をほぼリアルタイムで楽しんでいたという池氏は、大塚社長と話していて自ら担当したいと志願したとのことだ。

大塚社長が「たどり着くまでにいろいろあったのがキャラクターデザインです。最初は手塚先生の原作絵を活かしたアニメ化の路線も考えていましたが、浅田先生が手塚先生の作品を描いた絵に手塚愛を感じてお願いしました」と語ると、浅田氏は「オファーは嬉しかったです。ですが最初の締切までが一週間ほどで大変でした」と裏話を明かしていた。

続くテーマは「浅田さんキャラクター原案公開!」で、百鬼丸とどろろの設定画が公開された。浅田氏は「百鬼丸の初期案はもう少し年齢が上の絵だったんですが、古橋監督から話が重たい分、デザインは軽くしようと提案されました。絵柄として手塚先生の絵とは違うことが受け入れられるか不安もありましたが、自分も一手塚ファンなので、遺伝子は入れられたと思っています」と語った。木村プロデューサーによれば、原作とアニメの百鬼丸のキャラクター性の違いもふまえたデザインになっているという。小林氏は「一発でこのキャラを好きになってしまいました。なかなか感情移入しづらい百鬼丸というキャラクターを、絵に救って頂いています」とコメントしていた。

どろろの設定画について浅田氏は、「とにかくかわいければいいのかなと思いました。身体のフォルムで、どろろ裏設定が自然に伝わればとも思いました」と語った。大塚社長はキャラクターデザイン全体について、「3Dはあまり使わずなるべく作画でやっていきたいという方針がある中で、集団作業のアニメで描きやすいデザインに落としこんでもらえました」と評していた。浅田氏や小林氏によれば、多宝丸とおつきの2人のデザインにも注目してほしいとのことだ。

「音楽での世界観表現」のテーマで池氏は「作品世界にはナチュラルに入っていけたが、監督や大塚さんのリクエストがタフだった」とのことで、リクエストの内容としては和風のジャズで『どろろ』のテーマを作ってほしい、『ジャングル大帝』のようにコーラスの入った大きなオーケストラを作ってほしい、和太鼓でどんどこやってほしいといったものがあったそう。大塚社長が「池さんの仕事は信頼していましたが、絵に合わせてみたらぴったりすぎて驚きました。ダビングでも仕上がりに驚きました」と語ると、木村プロデューサーも「ダビングで大河ドラマの音楽かと思う迫力で思わず見入りました」と絶賛。小林氏は「アニメは音楽の力で世界が変わる」と語っていた。

「”どろろ”の物語を紡ぐ」のテーマシリーズ構成の小林氏は、物語の序盤で会話ができない百鬼丸について、「百鬼丸が身体を取り戻すのがこの作品のメインのスジなので、取り戻すまでを描く必要がありました」と語った。小林氏からは、時代劇っぽくわざとらしいぐらいのナレーションをいれてみたといったエピソードもあった。

「手塚作品を手掛けるにあたって」のテーマでは、未完の手塚治虫作品である『どろろ』をどう描くかという部分が語られた。木村プロデューサーによれば「『どろろ』は既に一度アニメ化して、実写になって、何度も漫画化されている作品なので、今回どうアニメにするかをよく話し合った」とのこと。小林氏はアニメ化で意識したこととして、「作品として決める、価値観や倫理観のラインを意識しました。「手がある」ことが良いことである、とは描きたくない。百鬼丸が身体を取り戻すごとに個性が薄れて、特有のアクションなどができなくなるんです。だから全話を通して、身体を取り戻していく順番にも気を使いました」と語っていた。百鬼丸は喋らないし感情もあらわさないことから、どろろが百鬼丸を通して様々なことを感じ、変わっていく姿を描いた、という技術論も興味深かった。

告知コーナーでは2019年2月14日(木)~3月26日(火)の期間、アニメイトカフェTVアニメどろろ』のコラボカフェが開催されることを紹介。場所はアニメイトカフェショップ池袋・仙台で、会場で販売される描き下ろしイラストを使用した限定グッズについても紹介された。詳細情報はアニメイトカフェ公式WEBサイト内の特設ページで公開されている。

また、2019年3月17日(日)にサンシャイン劇場で開催される舞台『どろろ』東京公演千穐楽について、「全国劇場ライブビューイング」と「CSテレ朝チャンネル1での生中継」の実施が告知された。舞台『どろろ』は百鬼丸役・鈴木拡樹さん、どろろ役・北原里英さん、多宝丸役・有澤樟太郎さんらの出演で、2019年3月2日(土)の大阪公演を皮切りに東京、福岡、三重での上演が予定されている。

ステージの最後には、池氏が「まだかかってない曲もたくさんあるので楽しみにしてください」、浅田氏が「先の先までキャラクターがたくさん登場するので見て頂きたいです。昨日は手塚先生の命日で30周忌でしたが、当時駆け出しの漫画家だった僕が、『どろろ』という大好きな作品に関われることを嬉しく思います」、小林氏が「あまり親切な作りにはなっていない作品ですが、どうか最後まで見て応援してもらえたらと思います」、大塚社長が「これからも最後まで、現場は魂を込めて一話ずつ制作して、走りきっていきます」と挨拶。木村プロデューサーは今回のイベントアニスタ」全体を含めたコメントとして、「スタジオが作品を盛り上げるような場を、これからも作っていきたいと思います」と語って、ステージを締めくくった。(WebNewtype

「MAPPA『どろろ』スタッフトーク」より。左から木村誠さん、浅田弘幸さん、小林靖子さん、池頼広さん、大塚学さん