ブラジルの“皇帝”が17日に37歳の誕生日 CL公式ツイッターが伝説級の美技に再脚光

 現役時代、“皇帝”の異名を取った元ブラジル代表FWアドリアーノは17日に37歳の誕生日を迎えた。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)公式ツイッターが、稀代のレフティーが全盛期に見せた、回転しながらノールックで相手の股を抜く超大技に再びスポットライトを当てると、「無双を体現した男」「ビッグエンペラー」と称賛の声が上がっている。

 2000年にブラジルの名門フラメンゴでキャリアをスタートしたアドリアーノは、02年に加入したパルマで元日本代表MF中田英寿、元ルーマニア代表FWアドリアンムトゥと強力トリオを形成し、セリエAでゴールを量産した。その後、インテルへと復帰すると、ワールドクラスストライカーへと飛躍。ブラジル代表でもエースとして活躍し、世界屈指のFWとしてその名を轟かせた。

 しかし、私生活の過ごし方には問題が多く、酒の問題や暴行問題などがニュースで取り上げられた。当然、キャリアのピークも長くは続かず、06年のドイツワールドカップ(W杯)出場を境に、パフォーマンスは尻すぼみ。インテル退団後はブラジルのクラブを中心に転々としたが、練習の無断欠席や規律違反などの問題から契約解除が続いた。現在は引退表明こそしていないものの、3年ほど所属チームがない状態が続いている。

 そんななか、稀代のレフティーモンスターが17日に37歳の誕生日を迎えた。CL公式ツイッターは、「CLでのアドリアーノ」というメッセージとともに、一本の動画を公開した。

「当時は史上最高になり得た」「“皇帝”がいたからインテルのファンだった」

 ピックアップされたのは、2004-05シーズンのCLグループステージ、インテルバレンシア戦だ。敵陣のペナルティーエリアにドリブルで侵入したアドリアーノは、飛び出してきた相手GKのタックルを鮮やかに交わし、さらに縦へ突破。左側からマーカーがカバーに来た瞬間、相手に背を向けたまま右足ヒールでボールをコントロールして股下を抜き、反転して入れ替わり、中央へ折り返した。

 反転、ノールック、ヒールでの股抜きとテクニックを凝縮させた大技に、投稿のコメント欄には「“皇帝”がいたからインテルのファンだった」「無双を体現した男」「当時は史上最高になり得た」「ビッグエンペラー」「パワーファイター」とファンからのメッセージが相次いだ。

 順調にキャリアを歩んでいたら――。2000年代を彩ったブラジル最高峰のストライカーにそう思いを馳せるファンも少なくないかもしれない。(Football ZONE web編集部)

アドリアーノの超大技に再脚光【写真:Getty Images】