Halo at 四畳半が9日、東京・マイナビBLITZ赤坂で全国ツアーHalo at 四畳半ワンマンツアー 2018-2019 “悲しみの朝の愛し方”』の最終公演を開催。同ツアーは昨年12月2日の新潟CLUB RIVERST公演から9公演をおこなった。昨年10月メジャー1stフルアルバム『swanflight』を発売し、今勢いに乗っている彼ら。今公演ではその勢いそのままに熱いステージで観客を魅了し、6月にニューミニアルバムの発売と7月19日に初の東京・Zepp DiverCity TOKYOでのワンマンライブ「NOVEL LAND LANDING」の開催を発表した。【取材=長澤智典】

僕らは悲しみを歌うことが多い

Halo at 四畳半(撮影=オチアイユカ)

 止まない雨はない。必ず、いつかは晴れた青空が広がる。自然に関して言えば、晴れた日のほうが圧倒的に多く、たまに雨に見舞われるといったほうが正解だろう。人の心を24時間の天候に例えるなら、十数時間は雨が降り注ぎ、僅かな数時間のみ心に晴れた光が射してくる…と決めつけることは出来ないが、そんな傾向が多いのでは? と考えてしまう。その眩しい数時間の日射しを浴びたくて、誰もが雨に濡れた心を乾かす「夢」や「希望」という材料を探していく。

 世の中には、音楽に触れることで心を満たす喜びを覚える人たちや、自分が輝くための糧をそこに求める人たちがたくさんいる。音楽に満たされることで自分が笑顔や幸せに包まれるのを分かっているからこそ、雨に濡れた心の時間を少しでも減らしたくて、気持ちを揺さぶる音楽との出会いを見つけては、次々と口の中へ頬張るように求めていく。

 渡井翔汰(Vo)は「僕らは悲しみを歌うことが多い」とMCで語っていた。きっと、彼は気づいているのだろう。悲しみの先に光があることを…ではない。心を解き放つ喜びは、たくさんの悲しみや切なさ、心の痛みや消えない傷を養分にして花開くものだということを。自分と同じような心の痛みを抱える人たちがこの世界にはたくさんいるのをわかっているからこそ、悲しみを抱えた音楽を分かち、一緒に育て、共に幸せの花を咲かせるため、同じ心の傷を抱える仲間たちに音楽という手を差し伸べているのだと…。

 そんなことを書いているが、本当は何もわかっちゃいない。ここまでの文章をどう受け止めるかは、無責任な言い方だが、それぞれにお任せする。ただ、自分はHalo at 四畳半ライブを観ながら、そんなことを書きたくなっていた。

 あなたは、ライブに何を求めるだろうか。「心も身体も開放し騒ぐことに喜びを覚えたい」、それも正解だ。「じっくりと歌に浸り、その想いを自分と重ね合わせ癒されたいし、ともに涙したい」、それもまた正解だ。

ライブの模様(撮影=オチアイユカ)

 この日のHalo at 四畳半ライブには、熱狂という言葉が相応しい光景が描き出されていた。歌に浸り、心を震わせる様も映し出されていた。でも一番に感じたのが、彼らが音楽を通し、会場へ足を運んだ人たちと顔と顔を。いや、心と心を突き合わせ、想いを分かち合っていたことだ。

 「僕らはこう思うんだ、僕らはこんなことを信じてるんだ。えっ、君もそうなの? じゃあ、一緒に未来を語り合わないかい」彼らは、音楽を通した心の会話を全力で投げかける。その言葉を全身で受け止め、同じよう全力で想いを返し、本気の会話を交わしながら、心に生まれた喜びや笑顔を大勢の人たちが4人と分かち合っていた。

 熱狂したいなら騒げばいい。でも、騒ぐだけがライブではない。想いを語り合い、そこで感じた喜びや幸せに浸るのもライブの楽しさだ。もちろん、音源でも伝わる想いは十分にある。でも人は、誰かと触れ合うことで感情を何倍にも増幅していく力を平等に身につけている。それを知っている人が、それを感じたい人が、ライブという直接触れ合える場に足を運ぶのかも知れない。そういう想いを抱く人たちが増え続けているからこそ、この日のマイナビBLITZ赤坂の会場もSOLD OUTを記録した。

悲しみの朝の愛し方

ライブの模様(撮影=オチアイユカ)

 このツアーで、Halo at 四畳半は「悲しみの朝の愛し方」という物語を毎回作りあげようとしてきた。セットリストというシナリオはある。その物語が、どんな風に膨らみ、どんな結末に彩られるのかは、体感してみないことにはわからない。

 ライブは、映写機が映し出した映画のプロローグ映像と、そこにのる渡井のナレーションから幕を開けた。

 「よく来たね、愛おしい時間を探しにいこう」。ライブは、絡み合った気持ちを一気に紐解くように音を響かせる「ヒーロー」から始まった。彼らは歌いかける、「世界を揺るがすほどの感動を探しにいこう」と。その歌声と演奏に触れ、気持ちがドキドキと鼓動を速めながら膨らみだす。フロア中から突き上がる拳は、その物語を一緒につかみたくて伸ばした手のようにも見えていた。力を携え走る「ステラノヴァ」が騒ぎたい気持ちに熱を注ぎ込む。遠くに光る一等星をつかみたくて、誰もが疾走する楽曲へ飛び乗り、熱く心の手を伸ばしていた。

 「愛おしい明日を迎えにいこうぜ」、場内を包みだした熱の温度をさらに上げるようにHalo at 四畳半は「朝を迎えに」を突きつけた。「走り出せ」「手を伸ばせ」と歌う声に導かれた満員のファンたちが、沸き上がる気持ちのままに叫びを上げ、舞台上へ拳を掲げていく。

 「いろいろな時間の、いろいろな心をお見せしたい。すべて残らず出し尽くそう」。ザクザクとした演奏に触発され、フロア中から突きあがる無数の手。「楽しい」という言葉を掻き集めながら、魂を笑顔で揺らした「アメイジア」。「迷ったその先で、俺たちは何を見るんだろう」の言葉に続き、彼らは「アストレイ」を披露。迷ったその先に、かならず明日はあるから前へ進もうと渡井は歌いかけてきた。

 白井將人(Ba)がベースを叩き鳴らすのを合図に、楽曲は「擬態」へ。衝動という言葉を記したくなるほどの熱く激しい演奏をHalo at 四畳半は突きつけていく。興奮を覚えるたびに、魂が熱く震えだす。

 一変、移り変わる心模様を音へ映し出すように、変拍子を巧みに用いた「アンドロイドと青い星の街」が流れだした。演奏が進むごと、緩急さまざまな表情を見せる楽曲に触れ、気持ちが浮き足立つような感覚を覚えていた。傷つけ、傷つき、さらに互いに心傷つけあったことの後悔を嘆くよう、悲しみに激情した気持ちを投影しながら、Halo at 四畳半は「春が終わる前に」を突きつけた。荒れ狂う激しい歌声と演奏は、傷つき癒せぬ心の痛い叫び声のようだった。

もっと大きな夢を見ようぜ

Halo at 四畳半(撮影=オチアイユカ)

 それまでの心掻きむしる様から次の物語へ色を塗り替えるように「王様と兵士」を披露。とてもシニカルでメッセージ性の強い想いを、彼らは、心をウキウキ弾ませる軽快な演奏に乗せ届けてきた。

 途中、メンバーファンたちが歌を掛け合う場面も登場。こんなに穏やかな表情を持った楽曲なのに、歌詞は…。気になる方は、チェックしていただきたい。美しく、優しく心を開放していくように歌と演奏を響かせた「マグとメル」。悲しみさえも、すべて優しさで包み込む歌声と音色へ、ただただ素直に想いを寄り添えていたかった。

 舞台は暗転。闇が多くを支配する舞台の上で、小さな灯りを灯し、互いを結びあうように「ヒューズ」を歌いかけた。ここから後半に向け、新たな展開を示す物語を描き出そうじゃないか。

 次第に沸き上がる感情。想いが膨らむにつれ、その演奏は気持ちを解き放とうと仲間たちを導いてゆく。「リバース・デイ」に触れながら感じていた、心に翼を広げ飛び立ちたい想い。「この瞬間瞬間を輝かせるように」、美しさと力強さを重ね合わせた「アルストロメリア」だ。<この生命を燃やす理由を僕らはずっと探してる>と渡井は歌いかける。誰もが心に巣くう傷や痛みさえも抱き抱え、光に向かって拳を高く突き上げ、惑いの中から夢や希望を掬いあげようと叫びを上げていた。

 光を放ちながら疾走する演奏と込み上げる想いを重ね合わせるように、大勢の人たちが熱い手拍子をぶつけだした。沸き上がる感情を解き放とうと、誰もが「フェロウ」に合わせ進撃の声を上げ、先に輝く光へと突き進む。その勢いをさらに倍加するように、Halo at 四畳半は「カイライ旅団と海辺の街」を演奏。「楽しい」という想いがどんどん膨らみだす。

 そして…。回るミラーボールが眩い光を身体中へ降り注ぐ。その輝きに包まれながら、互いに心をしっかり繋ぎあおうとHalo at 四畳半は「モールス」を演奏。誰もが、Halo at 四畳半の歌を頼りに、その歌声が導く先へ一緒に進もうとしていた。その道へともに歩むことを選び、彼らが交信を求めたモールス信号を道標に未来へ旅を続けたい。互いの気持ちを確かめるように、この歌が胸に響いていた。

 最後に、悲しみや痛みを抱きながら綴る物語の大切さを諭すように「悲しみもいつかは」を届けてくれた。終盤には、観客たちによる「悲しみもいつかは忘れてしまうかな」と合唱する場面も登場。彼らは、歌いかけてきた。悲しみを抱き続けながら綴る物語にこそ、その人の生きる意味があるんだと。悲しみを吹き飛ばすのではなく、痛みや悲しみ、消えない傷を抱えながら明日へ進むことに意味があることをHalo at 四畳半は語りかけてきた。

ライブの模様(撮影=オチアイユカ)

 この会場に生まれた、心を笑顔に変え、喜びを分かち合う「楽しい」という魔法をもう一度感じ合うように、アンコールでは「魔法にかけられて」を披露。この楽しさを離したくない。もっともっと魔法にかかったこの時間を永遠に変えてしまいたい。

 その楽しさを熱狂に変え、すべてのわだかまりを吹き飛ばすよう、最後には、彼らのライブを活動初期から熱狂で支え続けてきた「シャロン」を突きつけた。激しく唸りを上げ暴走する演奏の上で、互いに剥きだした感情をぶつけあう。お互い裸になってぶつかりあう、この瞬間が堪らない!!

エンドロールの映像に映し出された、今回のツアーを振り返っての映像。そして……Halo at 四畳半は、6月にくミニアルバムリリースする。さらに、7月19日Zepp DiverCityを舞台にしたワンマンライブ「NOVEL LAND LANDING」の開催も発表した。次の舞台へ歩を勧めた彼らが、どんな物語を描き出すのか楽しみにくしていたい。なにより、演奏を終え渡井が叫んだ 「もっともっと大きな夢を見ようぜ!!」の言葉を、その通りにしていこうじゃない。そのためにも、これからもHalo at 四畳半の歌と心の交信を続けながら、悲しみを相棒に、光や未来、明日という正体を確かめに行こうじゃないか。

 セットリストプレイリストも下記で公開中
https://nippon-columbia.lnk.to/yG-E6