宝塚の元男役でトップスターだった北翔海莉さんの母親が2月19日、ファンクラブ(以下FC)をめぐる脱税の疑いで刑事告発された。FCの売り上げを全く申告せず、2016年の1年間で、およそ1億2100万円の所得を隠し、所得税約4900万円を脱税した疑いが持たれている。

 今回の脱税事件は、宝塚の公式ではない私設のFCで起きていた。宝塚には「宝塚友の会」という公式FCがある。では、なぜ私設FCが存在するのだろうか。

 「『宝塚友の会』は、入会費を払って、宝塚歌劇団全体を応援するという仕組みです。しかし、ファンは自分の好きなスターを応援したい。そこで生まれたのが『私設FC』だと言われています。私設FCが存在するのは、基本的にトップの男役と娘役です。二番手や三番手でも人気のある男役はいますから、そういう人たちにもFCができることがありますね。北翔さんの場合はお母様が運営されていましたが、一般のファンが運営するケースもあります」(芸能ライター)

 しかも、話によると私設FCへの入会方法は特殊なものらしい。

 「ファンレターを手渡して直接FCに入りたいとアタックするそうです。スターの出待ちをするときに私設FCのスタッフらしき人に声をかける、友人に私設FCを紹介してもらう方法もあります。コンタクトがとれれば、会費を払ってはじめて私設FC会員になるのです」(前出・同)

 今回の報道によると、北翔さんの私設FCでは年会費が8000円。プレミアム会員になると年会費が6万円程度にまでなるという。FCには何かしらの優遇があるのだろうか。

 「私設FCに入ると優先的にチケットが取れるようです。そして私設FCからチケットを買うとスターのチケットノルマに貢献できるそうです。少しでも力になりたいというファン心理でしょうね。また、『お茶会』と呼ばれるイベントに参加できるメリットも。いわゆるアイドルの『ファンミーティング』のようなものです。憧れのスターと握手したりゲームをしたり、と触れ合える会です。もちろん別途イベント料はかかります」と、芸能ライターは続けた。

 「あと、忘れてはならないのが『お花代』。チケット代とは別にスターへ渡す『心づけ』のようなものです。お茶会への参加率やお花代の総額でスターの対応も変わってくるそうです。だから『プレミアム会員』という枠もできるんでしょうね」(前出・同)

 ネットでも「とうとう宝塚のグレーな部分が公に…」「FCの闇が暴かれる日が来た」「え、ファンクラブに入ってなくても宝塚は楽しめるから。今回の報道で誤解されませんように」「生徒さんでもFCある人いるけど、どうなってんのかな」などの声が上がっており、私設FCの存在はファンの間でしか知られていなかったようだ。

 今回の一件で、「宝塚の私設FC」という、相撲でいう「タニマチ集団」が存在することが判明した。好きなスターを応援したい、少しでも近づきたいというファン心理が悪用されないように願う。

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