2月22日(金)に開幕を迎える、2019シーズンのJリーグ。そこで今回、日本最大級のサッカーサイト「サッカーキング」と「Goal.com(日本版)」に話を聞いた。

【写真を見る】イニエスタ(神戸)とトーレス(鳥栖)のマッチアップは今季も注目

両メディアが教えてくれた、今シーズンの見どころ、開幕節の注目カード、ビギナー向けの「楽しみ方」とは。

■ 2019シーズンの見どころは?

サッカーキング・三島大輔氏「今季のテーマはズバリ“ストップ・ザ・フロンターレ”だ。昨季、川崎フロンターレ最多勝利、最多得点、最少失点と圧倒的な成績でJ1連覇を達成。史上2クラブ目の3連覇を目指す今季、ロンドン五輪で得点王に輝いた元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンを獲得するなど、戦力はさらにパワーアップした」

「その対抗馬の筆頭は浦和レッズだろう。山中(亮輔)や杉本(健勇)ら代表経験者が加入し、J屈指の陣容を誇る。鹿島アントラーズを3連覇に導いた名将(オズワルド)オリヴェイラ監督のもと、2006年以来の頂点を狙う」

「そして“台風の目”となり得るのがヴィッセル神戸だ。(ルーカス)ポドルスキ、(アンドレス)イニエスタワールドカップ優勝経験メンバーに加え、今季から元スペイン代表FW(ダビド)ビジャも神戸の一員に。優勝争いに加わるポテンシャルは間違いなくある。今季のJ1をかき回す面白い存在となりそうだ」

Goal.com・大川佑編集長「今年のJリーグはずばり“スペイン”がキーワード。昨シーズンも、元スペイン代表の(フェルナンド)トーレス(サガン鳥栖)、(アンドレス)イニエスタ(ヴィッセル神戸)らが来日し大きな話題となったが、今シーズンもその流れは変わらない。スペイン代表歴代最多得点記録の保持者でもある(ダビド)ビジャ(神戸)、元バルセロナのイサーク・クエンカ(鳥栖)ら知名度のある選手が新たにJリーグに加わっただけでなく、今やJ1ではセレッソ大阪、神戸、鳥栖はスペイン人監督が指揮を執る」

「また2017、2018シーズンと連覇を果たしたJ1王者、川崎フロンターレに加入した元ブラジル代表のレアンドロ・ダミアンにも注目したい。ロンドン五輪で得点王にも輝いたダミアンは、先日のゼロックス杯でも得点を挙げ、早速その実力の片鱗を見せつけた」

トーレスイニエスタビジャダミアン。彼らのプレーはいつまでもJリーグで見られる訳ではない。今のうちに目にしっかり焼きつけておきたいところだ」

■ 開幕節の注目カードは?

サッカーキングが選ぶ注目カード

注目カード①:2019年2月22日(金)19時30分 セレッソ大阪 vs ヴィッセル神戸@ヤンマースタジアム長居

ビジャの加入でさらに沸く神戸が“金J(「花金」に開催されるJリーグの試合)”に登場。スタープレーヤーたちの共演には神戸ファンのみならず、全Jリーグファンの注目が集まる。また今オフにC大阪から神戸への移籍を決断した山口(蛍)にとってはいきなりの古巣戦。昨季までのチームメイトたちとの熱いマッチアップにも注目だ。

また来場者にはユニフォームのプレゼントやシャウエッセン入りスープの無料配布、NMB48ハーフタイムライブなど、魅力的なイベントも多数開催される。

注目カード②:2019年2月23日(土)14時 川崎フロンターレ vs FC東京@等々力陸上競技場

ホームタウンが近く、ライバル関係にある川崎FFC東京の一戦は“多摩川クラシコ”と呼ばれ、この愛称もお馴染みとなった。開幕戦というより一層気合いが入るシチュエーションに加え、両者のライバル関係を踏まえれば熱い試合になることは間違いないだろう。なお、公式戦の通算対戦では川崎Fの17勝8分け11敗となっている。

川崎Fは新加入のレアンドロ・ダミアンFC東京横浜FMへの期限付き移籍から復帰した17歳久保建英。サポーターからの期待値も高い2人のゴールゲッターに注目だ。

注目カード③:2019年2月23日(土)15時 ジュビロ磐田 vs 松本山雅FC@ヤマハスタジアム

昨季はJ2最少の34失点。さらに全試合の半分以上にあたる22試合で完封を記録し、4季ぶりのJ1昇格を果たした松本。レアンドロ・ペレイラや町田也真ら新戦力にも注目だが、ここは松本のサポーターにフォーカスしたい。

J1初参戦となった2015年、敵地での開幕戦には多くのサポーターが集結し、圧巻の応援を披露。SNSを中心に大きな話題を呼んだ。磐田戦のチケットもすでに完売。J1の舞台を待ちわびた松本サポーターによる熱い応援がまた見られそうだ。

Goal.comが選ぶ注目カード

注目カード①:2019年2月22日(金) 19:30 セレッソ大阪 vs ヴィッセル神戸@ヤンマースタジアム長居

「フライデーナイトJリーグ powered by DAZN」(通称「金J」)として、2年連続で金曜日夜開催と他の試合よりも一足早く開催されることとなった開幕戦。

ルーカス・ポドルスキアンドレス・イニエスタらに加え、今オフにはダビド・ビジャ山口蛍らを獲得するなど、今やリーグ随一の豪華陣容を誇るヴィッセル神戸。対するは、昨シーズン東京ヴェルディで指揮を執ったスペイン人監督ミゲルアンヘル・ロティーナを招へいし、新たなサッカースタイル構築に挑むセレッソ大阪が対戦する。また、図らずも”トレード”という形になった山口蛍藤田直之にとっては早速の古巣対決となるのも見逃せない。

なおこの試合は、「Jリーグ史上最上級の開幕戦」と銘打たれ、来場者には様々な特典が用意されている。来場者限定ベースボールユニフォームが先着3万人にプレゼントされ、またハーフタイムにはNMB48によるライブが予定されている。

注目カード②:2019年2月23日(土) 14:00 川崎フロンターレ vs FC東京@等々力陸上競技場

開幕ということで、どの対戦カードも盛り上がり必至の試合ばかりだが、最も見逃せないのが「多摩川クラシコ」と呼ばれ、盛り上がりを見せる川崎フロンターレFC東京の一戦。バルセロナレアル・マドリーの伝統ある対戦「エル・クラシコ」から名付けられたこの一戦は、毎シーズン大きな盛り上がりを見せている。昨シーズンは両者1勝1敗の痛み分け。注目は川崎の新加入選手である元ブラジル代表FWのレアンドロ・ダミアンと、元日本代表の森重真人・元韓国代表のチャン・ヒョンスらを擁する堅守FC東京の守備陣とのマッチアップだ。

注目カード③:2019年2月23日(土) 14:00 サガン鳥栖 vs 名古屋グランパス@鳥栖スタジアム

昨シーズンはトーレス(鳥栖)、元ブラジル代表FWジョー(名古屋)といった大物選手をともに獲得しながらも、残留争いを演じることになった両クラブ。今シーズンは上位進出を目指したいところだ。鳥栖はルイス・カレーラス監督を招へいしスペイン化を推進。そこに元バルセロナの技巧派クエンカも加わり、課題だった得点力に磨きをかける。一方の名古屋グランパスは、対するサガン鳥栖から吉田豊FC東京から米本拓司といった実力者を獲得し戦力の上積みに成功している。だが、注目はやはり昨季のJ1得点王となったジョー。攻撃を重視する風間八宏監督のもと、今年も得点を量産できるか。

ビギナー向けに「Jリーグのここを楽しんでほしい」というおすすめポイントは?

サッカーキングが教えるおすすめポイント

まず神戸の試合は一度生で見ることをオススメしたい。Jリーグ開幕から25年が経過し、多くのスタープレーヤーが日本でプレーした。しかしながら、同じクラブにW杯優勝経験者が3人そろうケースはなかなかない。移籍市場が活発なサッカー界において、ポドルスキイニエスタビジャの3人が一緒に見られる機会を見逃さない手はないだろう。昨季はイニエスタ加入以降、各地でチケット完売が続出。横浜FMの本拠地である日産などキャパシティが大きいスタジアムであれば、比較的チケットは取りやすいかもしれない。

また埼玉(浦和)やパナスタ(G大阪)など、サッカー専用スタジアムで観戦することも強くオススメする。ゲートをくぐり広々としたピッチが見えた際の景色は壮大で、試合が始まればその臨場感に感動すら覚えるはずだ。また観戦の際にはぜひキックオフの1時間前頃から席に着き、選手たちのウォーミングアップ、サポーターの応援を堪能してほしい。

Goal.comが教えるおすすめポイント

いきなりコアなサポーターに混ざって、チャントを唄いチームを鼓舞するのもハードルが高いというもの。ということでスタジアムグルメやマスコットとの触れ合いをまずは楽しみつつ、ゆっくりと試合観戦から試してみるのはいかがだろうか。おすすめは試合開始2時間ほど前にスタジアムを目指すこと。余裕を持って、そのスタジアム特有のグルメを楽しむことができる。キュートな魅力あふれるマスコットたちがスタジアム周辺に出没するのもだいたいこの時間帯だ。

また、Jリーグの全試合を独占中継するDAZNJリーグが取り組む「金J」では、スタジアムにあまり来ることがない人や、仕事帰りの人も気軽に観戦できるようにと、限定ユニフォームの配布やスペシャルライブが行われるなど、試合観戦に慣れていない人も楽しめるように工夫されている。

観戦することにあまり気構えず、まずは、スタジアムという非日常空間を存分に楽しんでいってほしい。

両メディアのアドバイス、プロの視点を参考に、ぜひ、Jリーグを楽しんでみてください。(東京ウォーカー(全国版)・浅野祐介/ウォーカープラス編集長)

昨シーズン王者の川崎フロンターレ。FUJI XEROX SUPER CUP 2019も見事に優勝