ヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド32の2ndレグが21日に開催される。グループステージを勝ち抜いた24チームと、チャンピオンズリーグ(CL)グループステージ3位敗退となった8チームを合わせた計32チームで争われる今回のラウンド32。チェルシーアーセナルナポリインテルセビージャといった優勝候補、日本人選手所属クラブを中心にラウンド32第2戦の見どころを紹介していく。

◆ラウンド32・2ndレグ◆
▽2/20(水)
セビージャ 2-0(AGG:3-0) ラツィオ

▽2/21(木)
《26:55》
チェルシー vs マルメ
フランクフルト vs シャフタール
ザルツブルク vs クラブ・ブルージュ
ナポリ vs チューリッヒ
バレンシア vs セルティック
ゼニト vs フェネルバフチェ
ビジャレアル vs スポルティング・リスボン
ディナモ・ザグレブ vs ビクトリア・プルゼニ

《29:00》
アーセナル vs BATEボリソフ
インテル vs ラピド・ウィーン
ベンフィカ vs ガラタサライ
ヘンク vs スラビア・プラハ
ベティス vs レンヌ
レバークーゼン vs FCクラスノダール
ディナモ・キエフ vs オリンピアコス

◆ラウンド32・1stレグ結果◆
▽2/12(火)
フェネルバフチェ 1-0 ゼニト

▽2/14(木)
ラツィオ 0-1 セビージャ
ラピド・ウィーン 0-1 インテル
BATEボリソフ 1-0 アーセナル
ガラタサライ 1-2 ベンフィカ
スラビア・プラハ 0-0 ヘンク
FCクラスノダール 0-0 レバークーゼン
レンヌ 3-3 ベティス
オリンピアコス 2-2 ディナモ・キエフ

マルメ 1-2 チェルシー
シャフタール 2-2 フランクフルト
クラブ・ブルージュ 2-1 ザルツブルク
チューリッヒ 1-3 ナポリ
セルティック 0-2 バレンシア
スポルティング・リスボン 0-1 ビジャレアル
ビクトリア・プルゼニ 2-1 ディナモ・ザグレブ

★崖っぷちアーセナル、ホームで逆転なるか

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ナポリチェルシーら優勝候補が順当に敵地で勝利を収めた中、まさかの金星を献上してしまったのが、アーセナルだ。

クラブOBのアレクサンドル・フレブを擁するベラルーシ王者、BATEボリソフのホームに乗り込んだ初戦では試合を通して高いボール支配率、多くのシュート数を記録した一方、組織的な守備を見せたホームチームの守備を崩し切るまでには至らず、セットプレーで与えた1失点に泣き、まさかの0-1のスコアでホームでの2ndレグを迎えることになった。さらに、同試合ではFWオーバメヤンと共に重要な得点源となっているFWラカゼットが悪質なエルボーを見舞い一発退場となり、今回の試合では起用できない。

それでも、アーセナル・スタジアムでの圧倒的なホームアドバンテージに加え、先週末はFAカップ敗退に伴い、試合が行われておらず、万全の状態で今回のリターンマッチに臨める。先勝のアドバンテージとアウェイゴールをチラつかせるBATEボリソフは今回の一戦でも初戦と同じ堅実なプランを遂行する構えだが、アーセナルは前回対戦で大きな課題となったアタッキングサードにおける崩しのアイデアを見せられるか。その中で復帰濃厚なMFラムジーやMFエジルの働きがより重要になりそうだ。

★苦境日本勢は逆転なるか
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フランクフルトMF長谷部誠ザルツブルクFW南野拓実ガラタサライDF長友佑都、ヘンクFW伊東純也と日本人選手が所属する4クラブではフランクフルトとヘンクが敵地でドローも、ザルツブルクは敵地で敗戦、ガラタサライはホームで敗戦と芳しい結果を手にすることはできなかった。

前述の4チームの中で最も突破に近い位置にいるのは長谷部フランクフルトだ。ウクライナの雄、シャフタールのホームに乗り込んだ初戦では前半序盤に相手に退場者が出る幸運に恵まれたものの、2度のリードを守り切れず、最終的に2-2のドローで試合を終えた。

それでも、2つのアウェイゴールは大きなアドバンテージと言えるはずだ。ただ、直近のリーグ戦ではボルシアMG相手に再びリードを守り切れず、1-1のドローを喫して公式戦5試合連続ドローと課題のリード後の試合運びを改善できず。MFタイソンやMFマルロスと百戦錬磨のアタッカーが揃うシャフタールとのリターンマッチに向けて不安を残す。

また、伊東のELデビューは実現しなかったものの、スラビア・プラハとのアウェイゲームをゴールレスドローで終えたヘンクも好位置につける。なお、伊東は1-3でクラブ・ブルージュに敗れた直近のリーグ戦でベンチ入りを果たしたものの、デビューはならず。したがって、今回の2ndレグでは何とかデビューを飾りたい。

敵地でクラブ・ブルージュに1-2で競り負けた南野のザルツブルクはホームでの逆転突破を目指す。幸い、先週末の国内カップでは2部のウィーナー・ノイシュタット相手に2-1で勝利を収めてきっちりバウンスバックに成功。なお、南野は同試合で84分までプレーしており、今回の2ndレグでは初戦同様にベンチスタートが濃厚だ。

前述の3選手に比べてより厳しい立場に立たされているのが長友のガラタサライだ。共にホームで圧倒的なアドバンテージを持つ中、ホーム開催の初戦ではポルトガルの強豪、ベンフィカ相手に1-2の敗戦。長友の見事なアシストで一時追いついたものの、ホームで痛すぎる敗戦となった。そのベンフィカはラージェ新監督就任後、公式戦8戦全勝と絶好調。さらに、エスタディオ・ダ・ルスは欧州屈指の難攻不落の要塞となっており、そのアウェイゲームで2点以上を奪って勝つことは至難の業だ。なお、長友は先週末のリーグ戦を体調不良で欠場しており、この試合にフィットできるか微妙なところだ。

★優勝候補&スペイン勢は突破濃厚か
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優勝候補筆頭に挙がるチェルシーナポリ、今大会に相性がすこぶる良いスペイン勢はいずれも1stレグで好結果を手にした。

一部主力を温存した中、マルメとのアウェイゲームをMFバークリー、FWジルーのゴールにより2-1で勝ち切ったチェルシーだが、18日のFAカップ5回戦ではホームでマンチェスター・ユナイテッド相手に0-2で完敗。先日のマンチェスター・シティ相手の屈辱的な0-6の敗戦を含め、ここ最近の不甲斐ない戦いぶりを受けて、サッリ監督の進退問題が騒がしくなっている。また、今週末にはシティとのEFLカップ決勝を控えており、ターンオーバーも見込まれる中できっちり勝ち切れるか。

一方、チューリッヒ相手の初戦を3-1で勝ち切ってホームに戻ってきたナポリだが、先週末のトリノ戦ではホームでゴールレスドローリーグ戦2戦連続ドローとやや得点力不足に悩まされている。とはいえ、守備は安定しており格下チューリッヒ相手に十分に逃げ切れるはずだ。

同じ都市での同日開催を避けるため20日に前倒し開催となった中、ラツィオを2戦合計3-0で撃破したセビージャに続きたいスペイン勢。スコットランドの名門、セルティック相手に難所セルティック・パークで2-0の見事な勝利を収めたバレンシアは、無類の強さを誇るメスタージャで逃げ切りを狙う。

また、スポルティング・リスボンとのイベリア半島ダービーに敵地で1-0の先勝を収めたビジャレアルは低迷する国内リーグでもセビージャに3-0の完勝。良い状態を保ってホームでの2ndレグに臨む。

一方、レンヌとのアウェイゲームで3-3の壮絶な打ち合いを演じたベティスはスペイン勢で唯一初戦で勝利できなかったものの、3つのアウェイゴールは大きなアドバンテージだ。先週末のリーグ戦ではMF乾貴士を擁するアラベス相手にタフな1-1のドローゲームを戦ったため、コンディションに不安を抱えるが、勝負強さを発揮できるか。
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