ダウンロード違法化の範囲拡大をめぐり、クリエイターと読者をつなげるウェブサービス「note」と「cakes」を運営するピースオブケイクは2月21日、同社のウェブサイトで、将来のクリエイティブを阻害する可能性が高いなどとして、反対の立場を表明した。

文化庁・文化審議会著作権分科会は2月13日、ネット上に違法にアップロードされた漫画や写真など、あらゆるコンテンツについて、著作権侵害されていることを知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする方針を示した報告書をまとめた。

ピースオブケイクは「クリエイターやユーザーの行為が規制対象となり表現行為が違法となるリスクが増加する」「それに対して意識的、無意識的に、萎縮することでコンテンツの創作や流通が阻害され、未来のクリエイティブの創作に悪影響がある可能性が高い」と懸念を示している。

さらに、同社は「すでに創作物の権利を保有しているクリエイターにとっても、自分の創作物が流通されにくくなり、自分の作品が世に出て人々の目に触れる機会が奪われることになり、既存のクリエイターのためにもならない」として、反対の立場を鮮明にしている。

ダウンロード違法化の範囲拡大については、知的財産法や情報法の研究者らが2月19日、対象の範囲について「さらに慎重な議論を重ねることが必要」「拙速な法改正は、私的領域のおける情報収集の自由に対して過度の萎縮効果を及ぼす」とする声明を出すなど、波紋が広がっている。

(弁護士ドットコムニュース)

DL違法化、note運営会社が反対表明「将来のクリエイティブを阻害する可能性」