2月21日、総監督・渡辺信一郎さん、キャラクター原案・窪之内英策さんによるTVアニメキャロル&チューズデイ』の制作発表会が都内で開かれ、そのレポートが到着しました。

Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)さん

同作はボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作でもあり、会見には渡辺総監督のほか、南雅彦ボンズ社長、佐々木史朗フライングドッグ社長も出席。さらに、この発表会でお披露目となるキャロル役・島袋美由利、チューズデイ役・市ノ瀬加那などメインキャストが登壇したほか、主題歌歌唱アーティストのナイ・ブリックス、セレイナ・アンも登場してオープニングテーマKiss Me」を披露した。

発表会はフジテレビアナウンサー三宅正治の進行で行われ、まず企画の誕生とその内容について南社長、佐々木社長、渡辺総監督が答えた。

キャロル&チューズデイ』の誕生のきっかけは、佐々木社長が4~5年前に、ボンズの南社長にオリジナルの音楽アニメをやりたいと持ちかけたところまで遡るという。その後、『スペース☆ダンディ』を終えた渡辺総監督と南社長が次の企画を練る中で、『キャロル&チューズデイ』の原型ができあがったという。その企画を受け取った佐々木社長は「愚直で武骨な内容で、でも華やかで、僕らフライングドッグにもボンズカラーにも合っていて、いいと思いました」と感じたという。

 一方、渡辺総監督は「音楽マニアとしては、ライフワークとしていつか音楽ものをやらなくてはならないと思っていました。でも、好き過ぎて、マニアである自分が納得するものでないと作れない、とハードルはかなり高かったです。今回、企画を練るうちに、“音楽マニアの自分”からもOKが出る内容になり(笑)、ようやく“アニメ監督の自分”も作品を作ることができるようになりました」と、企画の発端を振り返った。

渡辺総監督によると、本作の舞台は未来の火星。その時代、音楽の大半はAIによって制作されており、キャロルチューズデイは、時代遅れの人力での曲作りでそんな音楽シーンに風穴をあけていく存在となる。2クール作品で、前半の第1部は出会った2人がデビューするまでを、第2部はデビュー後の姿を描くという。

「なぜ女の子2人が主人公なのか」という質問について、渡辺総監督は「孤高の天才アーティストの物語ではなく、ひとりひとりでは思うようなものが作れなかった2人が、協力することで思いもよらなかったものを作れるようになる、という“共同制作”のおもしろさを描く作品だからです」と説明。「アニメも共同制作そのものですが、、そんな自分たちの仕事にも返ってくるような、1+1が2以上になる瞬間を描きたいと思いました」とまとめた。

 ちなみに渡辺総監督は女の子主人公にするのは本作が初めて。その点について問われると「僕も時流に乗らなくてはと思った(笑)」と冗談を挟んだ後に、「確かに自分にとっては挑戦なんですが、挑戦だからこそやってみたいと思いました。過去に作った作品の繰り返しでは自分もやる気が出てこない。ちょっとずつでも新しいものに挑んでいくということで、女の子主人公にしてみました」と狙いを語った。

 また、キャラクター原案に窪之内英策を起用した点については

「さまざまな漫画家イラストレーターなどの絵を南さんから提案してもらった中から、絵柄だけで『この人なら』と思って選んだのが窪之内さんだった。絵がうまいだけでなく、バックグラウンドが見えるというか、キャラクターが生きている感じがするのでお願いさせていただきました」(渡辺総監督)

「窪之内さんの絵は、普遍的な魅力があるし、海外でも人気が高い。世界に通用するキャラクターだと思った」(南社長)

といった話が出た。

加えて質疑応答で、具体的なキャラクター作りの過程について質問が出ると

「窪之内さんのラフには、こちらが説明した情報に加えて、窪之内さんなりに『これはこういうバックグランドがあるのでは?』と想像したメモがたくさん書かれていました。キャラクターポーズをとっている絵にも、『このキャラクターはこういう心情の時にこんなポーズをとる』なんて添えてあったりします。そういうメモは、制作していく上でヒントになった部分もあり、そういう意味では窪之内さんとのやりとりで、キャラクターが出来上がっていった部分はある」

と、渡辺総監督が窪之内デザインが作品に与えた影響を説明した。

こうして作品の全体像が見えてきたところで、最新のプロモーション映像が上映された。このプロモーション映像はキャラクターの音声がついたはじめての映像となる。その上で今度は、メインキャストが登場し、それぞれが演じる役について一言ずつコメントをした。

キャロル役 島袋美由利】

キャロルはサバサバしているというか、非常にさっぱりしている子だと思っています。曲がったことがきらいな性格ですね。自分にはないものをたくさん持っているキャラクターだという印象があるんですが、演じる上では、なるべくカッコつけないように、かわいくしないように、自然体で演じられたらいいなと思っています。

チューズデイ役 市ノ瀬加那

お嬢様キャラクターということで最初はお上品な印象がありました。でもアフレコが始まってみると、年相応に明るくて元気で、音楽に対する熱は本物だという部分の印象が強くなりました。普段のチューズデイだったら絶対しないようなことでも、音楽が絡むとまっすぐ突き進んでやってしまう子なんです。自分らしさをのせつつ、しっかりとチューズデイでありたいと思っています。

【ガス役 大塚明夫

ガスは自然体でだらしがない人(笑)なんです。キャラクターに合わせて今日はタンクトップで来ようかと思いました(笑)。だらしない人がキャロルチューズデイに入れ込んで、いかに走っていくかというところを演じてみたいと思っています。

【ロディ役 入野自由

ちょっとオタク気質で内向的なキャラクターです。アウトドアタイプではないんですが、キャロルチューズデイ、ガスにアーティガンというメンバーに巻き込まれていくので、巻き込まれ体質なキャラクターだと思って演じています。

アンジェラ役 上坂すみれ

売れっ子の子役でモデルなんですが、これから歌手に転向しようとしている、転換期にあるキャラクターです。傲慢な子かなと思ったら、意外に根性があったり、自分というものがしっかりあたったりして、ただの意地悪な子にならないように、人間らしさの部分、女の子の部分を大事に演じたいです。

【タオ役 神谷浩史

クールでロジカルな人なので、そこに要求されるものが決まっているところがあるので、そこを繊細に音にしていければと思います。

アーティガン役 宮野真守

アーティガンは実は40代のキャラクターで、渡辺総監督からそう説明されたことをプロデューサー陣に話をしましたら、どうもその設定を知らなかったようで驚いていました(笑)。僕が実年齢よりも高いキャラクターを演じるのは稀なことなので、一生懸命演じたいと思っています。パリピなおじさんで、テンションが高いキャラクターなのですが、渡辺総監督に「世界観は守ってね」と釘を刺されましたので、真面目にテンション高くということで一生懸命やっています。

キャストコメントに続いて話題は音楽のほうへ。

渡辺監督は「世界のどこへもっていっても通じる音楽にしたかった。だから自然と歌唱言語は英語が増えたし、プロデュースしてもらうミュージシャンも海外のミュージシャンが増えた。その点はフライングドッグさんが非常に頑張っていただいた」と海外の錚々たるミュージシャンが参加するに至った経緯について説明した。

質疑応答では役作りと音楽の関係も話題になった。

島袋は「キャロルが好きという設定の、アデルさんやアレサ・フランクリンさんの曲については、アフレコの前だったり、ちょっとした時に聞いて、彼女の好きなものをもっと知ろうとしています。キャロルチューズデイの歌のレコーディングも見学させていただいたんですが、キャロル役のナイ・ブリックスさんの音を聞いて、なるべく音の感じは近づけられたらと思って演じています」と話し、

市ノ瀬は「私もチューズデイが好きなシンディ(・ローパー)さんの曲を聞いてたりしています。あとキャロルはタピオカミルクティが好きなので、それを飲んだりして、キャラクターに寄り添うことができないかなと思ってやっています。私もレコーディングは見学しましたが、チューズデイの歌はセレイナ・アンさんにおまかせして、私は私の役割をちゃんと果たさなくては、と思いました」と話した。

その後、ナイ・ブリックス、セレイナ・アンが登場してオープニングテーマKiss Me」を披露した。

ナイは本作への参加について「この作品に関わることができて光栄です。アニメシンクロするように歌唱するのはとてもエキサイティングな体験で、楽しみながら歌うことができました」とレコーディング振り返り、セレイナは「2人の女の子シンガーソングライターとして花開いていくというこの作品のテーマが、シンガーソングライターである私自身とても共感できる内容です。視聴者として楽しみですし、そこに関わることはできてうれしいです」と喜びを語った。

Kiss Me」を歌い終わった後に、“グータッチ”をしたふたり。作中のキャロルチューズデイのように息の合ったところを見せた。

会見中、本作について「直球勝負をしようという気持ちがあった。作品数が増えて“変化球な作品”も多い中、自分の伝えたいことをまっすぐ投げ込む作品にしたい。」と語った渡辺総監督。最後の挨拶では「この作品はキャロルチューズデイが旋風を起こしていく内容。この作品自体がそのように旋風を起こすことができれば、と。めったに言いませんが、この作品は自信作です!」と断言して、制作発表会を締めくくった。(WebNewtype

「キャロル&チューズデイ」制作発表会より