振り込め詐欺などの特殊詐欺が後を絶ちません。こうした詐欺グループが行う「アポ電」という手口が広がっています。「アポ電」とは、「事前の」という意味の「アポイントメント」という言葉+「電話」のことで、詐欺グループが事前に、個人情報などを調べる目的の電話をかけることをいいます。東京都内では、ことしに入ってから「アポ電」をした数日後、高齢者の家に強盗が入る凶悪事件が続けて発生していて、警視庁が注意を呼び掛けています。

 2月1日午前8時すぎ、京王線笹塚駅から程近い、渋谷区笹塚にある高齢者夫婦の住宅に3人組の男が押し入り、80代の夫と70代の妻を結束バンドで縛り、現金400万円を奪って逃走しました。

 実は、その3週間ほど前の1月11日未明にも、笹塚の現場から1.8キロほど離れた渋谷区初台にある93歳の夫と86歳の妻が住む住宅に、覆面をかぶった3人組の男が押し入りました。男たちは夫婦を縛り、現金およそ2000万円と宝石などを奪って逃げました。93歳の夫は顔を殴られ、軽いけがをしました。

 1カ月弱の間に2件の強盗事件が起きましたが、どちらも渋谷区に住む高齢者夫婦が狙われ、犯行の手口も似ています。そして、大きな共通点は「アポ電」です。

 警視庁によりますと、2件の強盗ではどちらも事件の数日前、息子をかたる人物から「会社でトラブルがあった」と、自宅に高額な現金があることを確認する「アポ電」があったということです。

 警視庁はこの2つの事件の後、「自宅に高額な現金は置かない」「夜に人が訪ねてきてもドアを開けない」などと書かれたビラを配るなどして、注意喚起をしています。警視庁・犯罪抑止対策本部の山上嘉人管理官も「『アポ電』などの犯行予兆電話があったら、警察への通報を徹底してほしい」と注意を呼び掛けます。

 警視庁によりますと、「アポ電」を含む不審な電話に関する通報は、2018年の1年間で東京都内だけでおよそ3万5000件もあり、その2年前=2016年の2倍以上に急増していて、「知らない電話に出ないことが一番の対策」だとしています。山上管理官は「犯人からの電話に出ないことが、何よりの対策になる。誰でもできるのは『留守番電話設定』を活用すること。留守番電話にしておいて、必要な用件には折り返し電話をかけ直す。(留守番電話で聞いて)よく分からない電話や、非通知番号の電話には出ないということを徹底してほしい」と、不審な電話に警戒するよう呼び掛けています。

<詐欺電話への備えを 対策の数々>

 詐欺から強盗という強引な手口に犯罪が変化してきている点も非常に気になります。警視庁は「電話に直接出ず、留守番電話設定にしておく」という対策のほかに、「自治体などが貸し出しを行っている、自動通話録音機」の活用や「電話でお金の話が出たら、電話を切ってしまう」といった対策も有効だとしています。また「家族で合言葉を決めておく」「息子などを装った詐欺電話対策として、直接本人に電話をかけ直して確認する」ことも勧めています。

 少しでも怪しい電話だと思ったら、家族や近所の人などに相談して、警察に通報してほしいと呼び掛けています。

高齢者狙う「アポ電」強盗に注意! 東京・渋谷区で連続発生