ダムをモチーフにしたカレー「ダムカレー」が「不謹慎」と訴える記事が建設系のメディアに掲載され物議を醸している。国内のダムカレーの情報を集めている日本ダムカレー協会は、この主張に「過疎化に悩むダム水源地の方々が考えだしたもの」と反論。多くの批判が集まり、不謹慎と訴える記事は削除された。


物議を醸したのは、建設系メディア「施工の神様」に掲載された「ダムカレーは不謹慎だ、ふざけるな!被災地の土木屋が大激怒」という記事。執筆者は災害の復興工事に携わっている土木技術者で、「ダムカレー、ビルカレーという、こうした名称のカレーの存在を知った私は、実に不愉快で、怒りを感じざるを得なかった」という。


執筆者によると、ごはんをダム、カレールーを貯水池に見立てた「ダムカレー」の壊して食べるという行為は、多くの人が亡くなり、家屋やビルが倒壊した悲惨な災害を連想させ、「悪ふざけにもほどがある」とのこと。「被災などが続いているこの状況で、あまりにも軽率な行動ではないだろうか」、被災地の状況を見ても「ダムカレー、ビルカレーを壊して食べることができるだろうか」と疑問を呈している。さらに、「GUCCIのセーターが黒人差別を連想させるとして販売中止となったが、あの事件とも似た不快感を、ダムカレーとビルカレーに感じざるを得ない」とも主張。「私にとって、ダムカレー、ビルカレーは、施工管理技士に対する侮辱であるとハッキリ言わせてもらう。やめていただきたい!」と締めくくった。


この記事に対し、日本ダムカレー協会はTwitterで「多くのダムカレーは、過疎化に悩むダム水源地の方々が考えだしたものです。ダムカレーで、少しでも活気が取り戻せたらという気持ちから誕生しています」とコメント。他にも、「食べるときに壊れるのはあくまでライスであって、ダムじゃないぞ!」「ダムカレーは『郷土愛』『ダム愛』から生まれた芸術作品なんだ。狭量な批判など一切気にせず作り続けてほしいと思います」といった批判が寄せられ、記事は削除された。


画像は日本ダムカレー協会のホームページより