Nintendo of Americaの社長兼COOレジナルド・フィサメィ氏が退陣を発表し、新たにセールス&マーケティング部門の現シニア・ヴァイス・プレジデントであるダグ・ボーザ―氏がその席を引き継ぐことが発表された。フィサメィ氏はNintendo of Americaの顔役としてレジーの愛称でファンに長く愛されてきただけに、退陣を惜しむ声は大きい。

 Twitter上ではフィサメィ氏の名とともにMother 3』がトレンド入りを果たすという現象も起きている。これはフィサメィ氏が担当する米国で同作が長らく発売されておらず、氏が何度も質問されては「ファンが求めていることは把握している」と返答を濁してきたことに起因するものだ。E3 2014でフィサメィ氏は、人形劇にて同様の質問をするファンをファイアマリオとなって焼き尽くすというジョークを飛ばしたこともある。

 またそのE3 2014では、2015年に亡くなった岩田聡社長とフィサメィ氏が映画『マトリックス』のごとく戦う映像も流れており、その強烈なインパクトが記憶に残っている人も多いのではないだろうか。

(画像はNintendo of America公式Twitterアカウントより)

 このように、表舞台で体を張り続けたフィサメィ氏は米任天堂の象徴であった。一方で、新たな社長となるダグ・ボーザー氏も、すでにファンから笑顔で迎えられているようだ。マリオシリーズの宿敵クッパの海外名であるボーザー(バウザーBowser)と同じ名前である点で、愛のあるいじりを受けているのである。

 ファンから特に心配されているのが、今後のスーパーマリオ』シリーズの行く末だ。2015年、シニア・ヴァイス・プレジデント就任時にアップロードされたボーザ―氏の写真では、氏の背後にコントローラーの配線で縛り上げられたマリオルイージの示唆的な姿が写っていた。社長に就任し米任天堂を“支配”したいま、もう新作は登場しないだろうというジョークが広まっている。

 ボーザ―(クッパ)が米任天堂のトップに君臨するというあまりにも出来すぎた話のため、氏が名字をボーザーに変更することと引き換えに新社長に就任するという裏取引があったのではないか、という興味深い考察もなされている。

 また、米任天堂の城の玉座にクッパ大王が座ったことで、Nintendo of Americaの従業員がドアを開けるために星を集めたり、謎を解かなければならなくなることを心配する声も挙がっている。

 残念ながら、新社長の能力について疑問視する声も上がっている。ある人物は、新社長が火を吐くことが出来るかどうかNIntendo of Americaに問い合わせているが、返答は得られていないようだ。

 クッパといえばマリオのライバルで恐ろしい敵だが、一方でボーザー氏の優しげな顔との対比を面白がっている人もいる。

 長年Nintendo of Americaの顔としてファンに愛されたフィサメィ氏の退陣で、会社の行く末を本当に心配する声も上がっているが、あるファンはクッパが楽しくWii Uで遊んでいる姿を引用し、何も心配ないと主張している。ゲームのクッパ大王同様、ファンや部下に愛される偉大な社長になって欲しいという願いは、必ずダグ・ボーザ―社長に届いているはずだ。

ライター/古嶋 誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros