■インドネシアで長い間見つかっていなかった「世界最大のハチ」が生きた状態で発見された
■イギリスの偉大な生物学者ウォレスにちなんで、そのハチは「Wallace’s giant bee(ウォレスの巨大バチ)」と名付けられている
■ インドネシアには他にもレアな昆虫が隠れている可能性があり、その発見が期待されている
お前…本当にハチ…なのか?
成人の親指ほどの大きさである、生きた巨大なメスのハチがインドネシアの島で発見されました。「Wallace’s giant bee(ウォレスの巨大バチ)」と呼ばれるそのハチは、1858年にイギリスの自然主義者であり探検家のアルフレッド・ラッセル・ウォレスにちなんでその名がつけられています。
空飛ぶブルドック
研究者たちは、1981年に何匹かのサンプルを発見していましたが、それ以来そのハチが姿を見せることはありませんでした。そこで1月に、研究チームがインドネシア探検におけるウォレスの足跡をたどり、ハチを見つけ出そうと試みたのです。
そして彼らはついにハチを発見。最初にハチを写真とビデオに収めたフォトグラファーのクレイ・ボルト氏は、「存在しているかどうかも分からなかった『空飛ぶブルドック』を目にしたときは、本当に驚きました。生きる証拠が自然の中で私たちの目の前に現れたのです」と語っています。
確かにその黒く大きな姿は、ブルドックに見えなくもない…?
Wallace’s giant beeの特徴
・翼幅はおよそ2.5インチ(約6センチメートル)であり、世界最大のハチ
・メスはシロアリ塚に巣を構え、大きなあごで粘性の樹液を集めて巣を固定し、シロアリの侵入を防ぐ
・樹液や木をすみかとしたシロアリの巣を目当てに、主に平地林に生息している
・チャールズ・ダーウィンとともに進化論を発展させたウォレスは、このハチを「クワガタのように巨大なあごを持つ、黒いスズメバチのような昆虫」と表現している
インドネシアはレアな昆虫の宝庫かも
ハチが発見されたのは、インドネシアの「北マルク州」と呼ばれる地域で、この森林地帯が他のレアな昆虫のすみかとなっていることも考えられます。
調査に参加した、昆虫学者でハチの専門家であるプリンストン大学のエリー・ワイマン氏は、この再発見により、ハチの歴史について深く理解するための研究が活発になり、絶滅防止に向けた取り組みがなされることを期待しています。
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