山中の攻撃力を生かすべく、槙野は守備に比重を置くことを明言

 J1浦和レッズの日本代表DF槙野智章は、23日のリーグ開幕戦ベガルタ仙台戦の前日練習を終えると、左サイドでコンビを組むことが濃厚になった新加入の日本代表DF山中亮輔の攻撃力を生かしたいと語った。

 浦和は22日の練習を非公開で行い、オズワルド・オリヴェイラ監督は「攻撃のセットプレーを確認した」とその内容を説明。そして、スタメンを「今週に練習してきたメンバー」と公言した。槙野はトレーニングを終えるとDF茂木力也、DF荻原拓也、DF岩武克弥といった若手たちとリフティングゲームでコミュニケーションを取り、クラブハウスに引き上げた。

 槙野は3バックの左、山中が左ウイングバックに入ることが極めて濃厚ななかで、槙野は後方から山中の良さを生かすためのプレーをすることを考えている。

「攻撃面で、個人でも周りを使った打開という意味でも、浦和の新しい武器になると思います。守備では上手くコミュニケーションを取る必要がありますけど、彼の良さは攻撃。僕が攻撃に出ていくよりも、彼に守備の負担をかけずに高い位置を取れるようにしたほうがチームにとって良いと思っています」

 オリヴェイラ監督は16日の富士ゼロックススーパーカップ川崎フロンターレに0-1で敗れると、今週は守備力に定評のあるDF橋岡大樹が入っていた右ウイングバックにMF宇賀神友弥を左から回し、山中を入れている。武器である左足のキックにはFW興梠慎三らの攻撃陣も期待をかけているだけに、槙野は後方支援に徹して横浜F・マリノスから加入した新戦力を生かす構えだ。

「開幕戦も特別」 仙台攻略の鍵は「ラインを押し上げペナルティーエリアに入れない」

 もちろん、DFとしても仙台を無失点に抑えることが仕事であり、193センチの長身FW長沢駿も加入した仙台に対して、「コンパクトにすること。仙台の前線はボックスの中で仕事をするプレーヤーたちなので、簡単ではないですけど、しっかりとラインを押し上げてペナルティーエリアに入れない。天皇杯の決勝で僕らが勝てたのも、相手にそういうシーンを作らせなかったからだと思います」と、ゴールから相手を遠ざけることの重要性を説いた。

 槙野は「開幕戦と最終節は特に注目されますけど、どの試合も特別。開幕戦も特別ですね」と、すべての試合に全力で臨む姿勢を示した。ゼロックス杯の敗戦から1週間、浦和がリーグでの好発進を切るためにも左サイドの関係性は重要なものになると言えそうだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和レッズのDF槙野智章【写真:轡田哲朗】