初のファンミーティングも大反響の草なぎ剛。「月刊ザテレビジョン」の連載「お気楽大好き!」で、3月15日に公開が迫る映画「まく子」についてたっぷり語ります!

「最近、『まく子』の原作を読んでいます」と草なぎ

■ 微妙なさじ加減でうまく演じてます(笑)

 映画「まく子」の話をします。いよいよ3/15[金]に公開です。僕は主人公サトシ(山﨑光)の父・光一役。といっても、あんまり僕は出てないんだけど(笑)。最近、原作を読んでいるんだけど、映画を見てから本を読むのも楽しくて。西加奈子さんの本、すごくいいんです。原作にはいろんな人が出ていて、変な人もたくさん出てくる。それを鶴岡慧子監督が映画化するに当たって、実に見事に練られて撮られた作品なんだなと。景色も、サトシお気に入りの城跡の丘の上とか、読んでいると本にぴったりで。面白い映画だなと思いました。

 僕の役も、女の人に目がなくて、どうしようもないような感じなんだけど、すごい楽しかった。ちょっと“ヘンなおじさん”のダメダメおやじの役も案外いいなと。自分の中で新しい何かが広がった役で「監督、また呼んでください」と言いました。今回ポイントポイントに出てる感じなので「次はスピンオフで、僕のおやじのヤツだけ作って」と言ったら監督、微妙なリアクションしてましたけど(笑)。

 印象に残っているシーンは、後半サトシと2人並んで話すシーン。あそこは非常に重要なシーンでね。サトシは成長して大人になっていく自分がものすごく嫌で、そういう現実から目を背けたいと思ってるんだけど、ここ以降、サトシは一歩大人になるというか。ひとまず決着をつけて、最後に向かっていくから、このシーンがないとこの映画は成立しない。そこをね、草彅くんがうまく演じてるわけですよ。すごい微妙なさじ加減で。このシーンを見るだけでも、この映画を見る価値がある、と自分で言っちゃってますけど(笑)。

■ 父親とは、僕もあまり遊ばなかったね

「まく子」をやって、僕は自分の子供のころも思い出したりしてました。自分の体が大人になっていくの、ちょっと嫌だなって、僕も思ったときあるし。すごくよく分かる。サトシの行動とか。ああやって大人になっていくんだなとか。

 山﨑くんの年齢のとき僕はもう仕事をしていて、学園ドラマとかやってたんですよね。でも、彼みたいにカメラの前でおむすび食べてセリフ言うなんて、僕は絶対できてなかった。そこに立っていろとか言われたことはするけど、あんなふうに役作りなんてできなかったし。今一緒に演技して重なり合う瞬間があるっていうのは不思議な“因果”だよね。さっき2人のシーンで緊張したって言ったけど、今のサトシとちゃんと演技し合えるのは、今の僕の年齢なんだよ。僕はね。あれを13、14歳でやっている彼はすごい才能だと思う。

 父親との思い出は…僕もあまり遊ばなかったね。早くから仕事をしてたってこともあるけど。でもすごい気にしてくれてたんだなと、今になってよく分かる。父ちゃんも母ちゃんも。特に父ちゃんが自分のことを心配してるなんて当時は全然分かってなかった。親の愛情っていうのは気付かないね。特に僕は気付かないんだと思う。普通のことって気付かないんだ。だからサトシダメおやじの光一のように、親子は向き合った方がいいんだと思う。僕はサトシみたいに正面からぶつかっていくことなんかなかった。そういう時間って大事なんだなと思ったりはしたかな。うん。親孝行っていうのは、やっぱりした方がいいよ。

小西真奈美ちゃんとなら、新しい世界に行けそう

そして私、5/4[日]から京都劇場で主演舞台「家族のはなしPARTⅠ」をやります。共演は小西真奈美さん。台本が届いたばかりでまだ読んでないんだけど、2本立てで一瞬でセットを換えて違う話になるみたいな、アットホームな作品になりそうです。真奈美ちゃんは先日の「音楽劇『道︱』」にも来てくれたし、タイミング的にも引き合わせてくれたのかなと。舞台といえば、僕にはなくてはならないのがつかこうへいさんで、その舞台「蒲田行進曲」で同じ時間を過ごした真奈美ちゃんとだったら、新しいまだ行ったことのない世界にまた行けるんじゃないかな。関西は知名度ないからチケット売れるかなとか(笑)、京都での1カ月の間、クルミどうしようって、実は一番の問題でもあるんだけど、それはそれとして、楽しみに待っててほしいと思います。(ザテレビジョン

少年ぽさをイメージした、モッズコートで撮影!