今月自らを捧げたガジェット

誰でも手軽に芳しい燻製香がついた1品が作れる、スモーキング・ガンの一種。熱源を使う通常の燻製機器とは異なり、食材を乾燥させるには不向き。しかしたったの5〜10分でスモーキーなおかず、ツマミが作れるお手軽さに注目したい。使用するスモークチップも少量でいい。別途密閉できる容器が必要だが、こだわりがなければ100円ショップで購入できるブリーザバックでOKだ。

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サンコー
燻煙加香
実勢価格:2980円

ツマミの魅力をグッと高めるお手軽スモーキング・ガン
突然ですが燻製が好きです。玉子もチーズもタコもホタテベーコンサーモンチキンシシャモもみんな大好きです。箸、止まらなくなっちゃいますよね?

身がキュッと引き締まったところにディープな香りが入り込み、食べる前もよし食べているときもよし食べ終わってもよしそこからのお酒の1杯がまたよし! みなさまはいかがですか? いぶりがっこのポテサラとか最高じゃないですか?

そして、燻製を作るのも好きです。誰かに作ってもらった燻製もいいけど、自分でやるからお店のメニューにはなさそうな1品が作れるのがいい。あまり知られていませんが、チータラとかの乾き物をさらに燻製すると、旨味の凝縮感が凄まじいんですよ。

コンビニで買えるちょっとしたオツマミが最強にレベルアップしたその姿に惚れ惚れ。ついでにいうと、燻製を作っているときに漏れ出してくる豊かな木々の香りで飲めます!

とはいえ、いつでも燻製が作れるというわけではありません。準備も必要だし時間もかかる。もともと燻製は保存食。食材にもよりますが、本来の手順を踏むならば塩漬け(ソミュール液漬け)で数日、そこからの風乾も数時間必要です。

燻製そのものの工程に入っても、80度以上の煙でいぶす熱燻なら30分程度でイケますが、50〜80度の温燻だと数時間、さらに25度以下で作る冷薫だと数週間かかることもあるのですから。

燻製オリーブオイル、燻製醤油が簡単に作れる!
もっとカンタンに燻製が作れないかな。そう思っていたところ、思い出したのがスモーキング・ガンです。レストランで見たことはありませんか? 煙に満たされたガラスクローチェを。ガラスのフタをとると真っ白い霧がサッと晴れて、芳しい1品が眼前に表れる料理を。あの燻製なお皿を作るときに使っているのがスモーキング・ガンなんですよね。

プロ用のしっかりしたヤツじゃなくて、リーズナブルな民生用はないかな...と探して見つけたのが、こちら。サンコーレアモノショップでゲットした「燻煙加香」です。

構造はカンタン。スモークチップを入れられる耐熱タンクを持つ小型の送風機で、少量のスモークチップに火をつけてスイッチを入れると、スモークチップの煙がパイプの先から勢いよく噴射! その煙を密閉容器に食材いっしょに入れるだけでOKという、とてもお手軽な調理器具なんです。

チップに火をつけてから電源を入れて煙を送る
耐熱タンクにスモークチップを入れ、ライターマッチで火をつける。本体カバープラスチックのため、トーチ、バーナーなど火力が強く、火が大きい装置は厳禁。火がついたのを確認したら電源ON。そうしないと燻煙加香がライターのガスを吸って、煙といっしょに食材へ送り込んでしまう。

ただし、長時間煙で燻す従来の燻製料理とは違います。スモーキングガンの用途は基本的に香り付け。ほとんど熱が入らないし密閉するため、乾燥効果はありません。とはいってもそのお手軽さがいい...熱燻よりも短い時間で、煙を満たしてたったの5分で、芳しい香りに包まれた燻製料理が食べられるのですから...。

食材と煙はブリーザバック
密閉して香りをつけていく。煙を出しつづける従来の燻製器とは異なり、少量のスモークチップが生んだ少量の煙で調理できるのが燻煙加香のいいところ。具体的にはブリーザバックをパンパンにふくらませるくらいの煙でいい。密閉するため、煙が消えて落ち着いても、香りはしっかりと浸透していく。

また燻製している時間が短いため、チーズサラダなど、多少湿っている料理であっても酸味がつきにくいのです。食欲を高めるためにちょっとした香りをつけるというなら、1〜2分くらいでOKですから。

購入してからいろいろ試してみましたがポテトチップナッツ類、スルメやチータラとの相性は最高! またホール状態のブラックペッパーとも合う! 粗挽きした燻製ブラックペッパーステーキによしラーメンによし、そしてハイボールに入れてよしすぎて飲みも食べもアクセル全開で進んじゃう。これ、もしかして一味とも合うかな。燻製調味料、いいかもしんない。

燻製オリーブオイルと燻製醤油もデリシャスでしたし。燻製しにくい料理に燻製香をつけるための、とびっきりのトッピングが作れるのですから。

高級食材&高級調味料を扱っている売り場でなければまず手に入らない燻製オリーブオイルや燻製醤油。少量でかなり強気のお値段がついているが、実際に燻製してみるとそのプライスに納得。ところが燻煙加香はほぼ熱が入らず、食材・調味料に対して燻製香だけをつける効果があるため、液体への香り付けに最適。一度に少量しか作れないが、使い切れるぶんだけ作るといった考え方であればなんの問題もない。試しに、安ウイスキーに燻煙加香で香り付けをしたら……なんだこれウマい! めっちゃスモーキー

武者良太(むしゃりょうた)ガジェットキュレーター。音響機器、スマートフォン、最先端技術など、ガジェット本体だけでなく、市場を構成する周辺領域の取材・記事作成も担当する。元Kotaku Japan編集長。

※『デジモノステーション2019年3月号より抜粋。

text武者良太
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掲載:M-ON! Press