サイドハーフで先発しFC東京の攻撃をけん引 ドリブルとFKで魅せる

 FC東京17歳MF久保建英は、23日のJ1リーグ開幕戦の川崎フロンターレ戦に先発し、4-4-2システムの右サイドハーフに入ると、後半32分までプレーした。前半41分には敵陣右サイドで得たFKのチャンスでキッカーを務め、強烈なシュートを放つものの右ポストを直撃。試合後のインタビューでは「入ったと思ったんですが、ポストに当たって残念でした」と悔しさを滲ませていた。

 横浜F・マリノスへの期限付き移籍から復帰した久保は、キャンプ長谷川健太監督に猛アピール。開幕スタメンの座を勝ち取り、17歳8カ月19日で先発出場を果たした。右サイドに入った久保は、序盤から積極的に仕掛けると、前半4分に早速見せ場が訪れる。

 左サイドのコーナーフラッグ付近でMF東慶悟からパスを受けると、昨季JリーグMVPの川崎MF家長昭博をかわし、ゴールライン際を突破。カバーに来た川崎の新加入DFマギーニョも抜いてみせた。川崎MF大島僚太に行く手を阻まれ、チャンス演出とはならなかったが、等々力競技場を沸かせた。

 さらに同41分には、敵陣右サイドのペナルティーエリア右隅でFKを獲得。FKスポットに立った久保は、助走から左足を強振。2枚の壁をライナー性の弾道が越え川崎ゴールを強襲したが、シュートは惜しくも右ポストを直撃し、ゴールとはならなかった。

 試合後、久保は「文字どおりの0-0なので、良くもなく悪くもなくでした」と振り返ると、FKの場面については「入ったと思ったんですが、ポストに当たって残念でした」と振り返った。

 また、かつて川崎の下部組織に所属し、今回の“多摩川クラシコ”に出場した感想を問われると、「試合前に“コラシコ”(下部組織同士の前座試合)をやってて、自分は7年くらい前にそこに出ていた。今日出ていた子たちにも、いつかこの舞台に立ってもらいたいと思いますし、(当時の)自分も試合をやった後にクラシコを見ていつかここに立ちたいと思っていたので、今日立てたことは非常に誇りに思います」と語った。

 緊張感漂う開幕戦でスタメンに抜擢され、存在感を見せた久保。ゴールを奪うことはできなかったが、定位置奪取に向けて好アピールとなったのは間違いない。(Football ZONE web編集部)

FC東京のMF久保建英【写真:荒川祐史】