人気の職業ランキングで、常に上位に入る保育士。最近は男性で目指す人も増えており、2000年時点では4全国に4,666人しかいませんでしたが、2015年時点では約3.4倍の1万5,980人にも上っています。保育士になるための進路はさまざまですが、新たに設置される専門職大学もその一つとなります。ここに進学すると、どのような学びやキャリアが考えられるのでしょうか。

待機児童や人手不足などの課題を抱える保育業界

今、保育業界は大きく2つの課題を抱えています。一つは、新聞やテレビ等でも報道されている待機児童問題。2017年の待機児童は全国で2万6,081人に上り、子どもを預ける保育所が見つからないため、職場復帰ができない人も少なくありません。

もう一つは、深刻な人手不足。厚生労働省の統計では、保育士有効求人倍率(※1)が2017年10月時点で2.76に達するなど、全職種平均の1.58倍と比べても、高い水準で推移しています。そのため、国も「保育士確保プラン」を公表するなどして、人材の確保に努めています。

この2つの課題はつながっていて、待機児童を減らすためには、保育所の数を増やすとともに、そこで働く保育士の数を確保する必要があります。こうした課題がある中、人材育成の面で大きな期待が寄せられているのが、新たに誕生する専門職大学です。

専門職大学では、保育に関する「理論」と「技能」をバランス良く学べる

保育士になるためには、国家資格である「保育士」の免許を取得する必要があります。そのための進路として、これまで大学や短期大学専門学校などがありましたが、新たに加わった専門職大学に進学すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

一般的に、大学や短期大学では保育に関する「理論」を中心に学び、専門学校では保育所等ですぐに使える「技能」を中心に学びます。その両方をバランス良く学べるのが、専門職大学に進学する最大のメリットといえます。

「技能」については、「臨地実務実習」で保育所等に出向き、現職の保育士の手ほどきを受けながら、保育に関わる最新の技術や知識をみっちりと学ぶことができます。一方の「理論」については、学内での講義や研究活動を通じて、体系的な学術理論を学ぶことができます。

卒業後のキャリアイメージ

どの分野の仕事にも共通することですが、その業界で成功するには、理論と実践をバランス良く積み上げていくことが必要です。保育士の場合も、日々の実践を理論として体系化していくと同時に、学習した理論を実践の場で試していくことで、職業人としてのスキルが高まっていきます。

専門職大学ではこのような経験を積める上に、マネジメント的な知識やノウハウなども学ぶことができます。将来的に保育所のマネジャーになった際には、専門職大学で学んだことを生かして、独創的な保育サービスを作り出せるかもしれません。

2019年4月に開学する保育分野の専門職大学はありませんが、2020年4月の開学に向けて、準備を進めているところはあります。保育士に魅力を感じている人は、選択肢の一つとして考えてみてもよいかもしれませんね。

【出典】
総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kekka.html
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&survey=%E5%9B%BD%E5%8B%A2%E8%AA%BF%E6%9F%BB&result_page=1
首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/taikijido/
厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000176121.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000070942.pdf
文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/__icsFiles/afieldfile/2018/11/07/1410381_01.pdf

※事業所等が出す「求人」を「求職者」で割った数値のこと。数値が大きいほど、人手不足となる。