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BEGINが昨日2月24日に全国ワンマンツアー「第23回 BEGINコンサートツアー 2019」の東京・中野サンプラザホール公演を開催した。

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このツアーはBEGINがニューアルバム「Potluck Songs」を携えて1月から行っているもの。彼らが中野サンプラザホールでワンマンライブを実施するのは2011年の「BEGIN NOGA マンタキー ツアー」以来約8年振りとなった。この日の公演にはBEGINが主題歌を務める映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」に出演する安田顕松下奈緒がサプライズゲストとして駆けつけ、会場を大いに盛り上げた。

公演は2部構成となっており、前半はニューアルバム「Potluck Songs」の中の楽曲がセレクトされた。比嘉栄昇(Vo, G)が温かみのある声で歌唱する「バンドを組もうよ」をはじめ、島袋優(G)がボーカルを取る「久茂地川に陽が昇る」、上地等(Key)が歌う「君がいて良かった」が続けられ、観客はそれぞれの歌声に聴き入った。

休憩を挟んで始まった後半には、「マルシャ・ショーラ」のメドレーコーナーが行われた。「マルシャ・ショーラ」とはサンバの起源といわれるブラジルの伝統音楽・マルシャと、沖縄の方言「~しましょう」という意味の「ショーラ」を掛け合わせた造語。このコーナーは3ブロックに分けて約1時間半繰り広げられ、舞台には劇団SETのダンサーも登場して会場を盛り上げた。1ブロック目で子供に親しまれている「夢をかなえてドラえもん」「さんぽ」などを届けて勢いをつけると、2ブロック目では昭和歌謡曲「ランナウェイ」「ジュリアに傷心」をカバーして、老若男女を踊らせる。それから3ブロック目では「笑顔のまんま」「海の声」などオリジナル曲をマルシャリズムでアレンジし、ファンを喜ばせた。終盤ではひと際速いテンポの「ソウセイ」を披露。比嘉が三線をかき鳴らして観客を熱狂させたと思えば、テンポを落とした「涙そうそう」をゆったりと奏でるなど、バラエティ豊かな演奏で会場に高揚感をもたらした。

アンコールでは観客からリクエストを募り、「三線の花」「島人ぬ宝」と三線の音色が特徴的な楽曲で会場に沖縄の風を吹かせた。そして比嘉がサプライズゲストとして安田顕と松下奈緒を紹介すると、そのまま2人と共に映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」主題歌の「君の歌はワルツ」を奏でる。安田はトライアングルを手に熱唱し、松下は上地と息の合ったピアノアンサンブルを披露して歓声を浴びた。MCでは比嘉が2人と共に行ったという同曲のレコーディング作業を振り返り、安田を“トライアングル魔術師”と形容して会場の笑いを誘った。比嘉にマイクを向けられた安田は「まいったまいった。ずっと2階から拝見していたのですが最高ですね」と客席からライブを観ていたことを明かしつつ、映画が公開中であることをアピール。メンバーと2人が固い握手を交わすと観客は総立ちで拍手を贈り、約3時間におよぶ東京公演の幕が下ろされた。

BEGINはこのあともワンマンツアーで全国を巡り、ツアーファイナル4月4日の東京・中野サンプラザホールで行う。

第23回 BEGINコンサートツアー2019(※終了分は割愛)

2019年3月3日(日)奈良県 なら100年会館 大ホール
2019年3月4日(月)兵庫県 あましんアルカイックホール
2019年3月8日(金)岡山県 岡山市民会館
2019年3月10日(日)愛媛県 西条市総合文化会館
2019年3月24日(日)大阪府 フェスティバルホール
2019年3月28日(木)秋田県 由利本荘市文化交流館 カダーレ
2019年3月30日(土)宮城県 電力ホール
2019年3月31日(日)福島県 いわき芸術文化交流館アリオス
2019年4月4日(木)東京都 中野サンプラザホール(※追加公演)

左から松下奈緒、上地等(Key)、比嘉栄昇(Vo, G)、安田顕。(撮影:浜野カズシ)