今年度のアカデミー賞で、「ボヘミアン・ラプソディ」が最多となる4冠を達成した。クイーンを題材にした同作は、2月24日に米ロサンゼルスのドルビーシアターで開催された同授賞式で、故フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックの主演男優賞をはじめ、編集賞、音響編集賞、録音賞を受賞した。

ラミは受賞スピーチの中でこう語っている。

「いつか、こんなことが起きるんだと幼い頃の自分に伝えたらどんな感じだろうと考えるのですが、カーリーヘアーの小さな頭は、吹き飛んでしまうほど驚くことでしょう」
「当時は、自分のアイデンティティに悩んでしました。自分が何者かに悩み、自分の声を見つけようとしている人なら誰もだと思うのですが。自分らしく人生を生き抜いた移民のゲイ男性を描いたこの映画が作られ、そして僕らがその映画とストーリーをこうして祝福しているという事実は、僕らは皆このような物語を待ち望んでいたという証拠なのです」
「僕はエジプト移民の息子で、アメリカ人としては1世になります。そんな僕の物語の1ページがここで今綴られているのです。この瞬間を思い描いてくれた皆さんに感謝せずにいられません。これは残りの人生の宝物になることでしょう」

ボヘミアン・ラプソディ」に続いては、「ROMA/ローマ」や「ブラックパンサー」「グリーンブック」がそれぞれ3部門を制す結果となっている。

作品賞を受賞した「グリーンブック」でメガホンを執ったピーター・ファレリーは、「この物語を聞いた時、希望を感じました。私たちは恐らくこれまでにないほど大変に分裂した時代を生きていますから、その希望を人々と分かち合いたいと思ったのです」「私たちがやらねばならないことは、話し合いや(自分との)違いで人を判断せずに共通点を探すことです。私たちにはたくさんの共通点があります。皆同じものを欲しており、愛や幸福を望んでいるのです。平等に扱われたいですし、そんなに悪いことではありません」と述べた。

さらに、主演女優賞の栄誉に輝いた「女王陛下のお気に入り」のオリヴィアコールマンは、感極まった面持ちで、「正直に言って、とても精神的にかなり疲れます。私がアカデミー賞を受賞したなんておかしくて仕方ないですね」「素晴らしい映画の最高な監督であるヨルゴス(ランティモス)。エマ(ストーン)とレイチェル(ワイズ)という本当に素敵な2人の女性。おかげで毎日仕事に行くのは、辛いことではありませんでした」と話した。

一方で助演男優賞と同女優賞は、「グリーンブック」のマハーシャラ・アリと「ビールストリートの恋人たち」のレジーナキングがそれぞれ受賞したほか、「ROMA/ローマ」のアルフォンソ・キュアロンが監督賞を手にした。「グリーンブック」は他にも脚本賞に輝いており、脚色賞は「ブラッククランズマン」の監督スパイク・リーらに贈られた。

30年ぶりに司会者抜きで開催された今年度の授賞式は、アダム・ランバートとクイーンの演奏で幕を開けたほか、レディー・ガガとブラッドリー・クーパー、ベットミドラージェニファー・ハドソンなどがパフォーマンスを披露した。また各部門のプレゼンターとして、ジュリア・ロバーツやダニエル・クレイグゲイリー・オールドマンアリソン・ジャネイ、サム・ロックウェルフランシスマクドーマンド、ジェニファー・ロペスクリスエヴァンスらが壇上に上った。


☆第91回アカデミー賞受賞リスト

作品賞:『グリーンブック
監督賞:アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ
主演男優賞:ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ
主演女優賞:オリヴィアコールマン 『女王陛下のお気に入り』
助演男優賞:マハーシャラ・アリ 『グリーンブック
助演女優賞:レジーナキングビールストリートの恋人たち』
脚本賞:『グリーンブック
脚色賞:『ブラッククランズマン』
外国語映画賞:『ROMA/ローマ
長編アニメーション賞:『スパイダーマン:スパイダーバース
短編アニメーション賞:『バオ』
撮影賞:『ROMA/ローマ
美術賞:『ブラックパンサー
衣装デザイン賞:『ブラックパンサー
編集賞:『ボヘミアン・ラプソディ
長編ドキュメンタリー賞:『フリーソロ』
短編ドキュメンタリー賞:『ピリオド.エンド・オブ・センテンス』
短編実写映画賞:『スキン』
作曲賞:『ブラックパンサー
歌曲賞:「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』愛のうた」(『アリー/ スター誕生』)
視覚効果賞:『ファースト・マン』
メイク・ヘアスタイリング賞:『バイス
音響編集賞:『ボヘミアン・ラプソディ
録音賞:『ボヘミアン・ラプソディ