マリナーズとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加しているイチロー外野手が元気だ。

 昨年5月2日以降は会長付球団補佐に就任し、ほぼ1シーズンプレーしていなかった。それがオープン戦初出場となった22日のアスレチックス戦では、2打席目にいきなり結果を残した。3回2死満塁で右前にポトリと落とす2点タイムリーを放った。

 続く出場の24日のロッキーズ戦では、第1打席で四球を選び出塁すると、すぐさま二塁盗塁に成功。マーリンズに在籍した2017年9月28日ブレーブス戦以来、実に514日ぶりとなる盗塁をマークした。

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「盗塁」のMLB最年長記録は??


 現在45歳、10月には46歳となるイチロー

 メジャーリーグでの最年長盗塁記録は、アーリー・レイサム(ジャイアンツ)の49歳。もっともこれは1909年に記録されたもので、近代野球と同じテーブルで比較するのはフェアではない。

 そのレイサムに次ぐ2番目は、かつて千葉ロッテユニホームにも袖を通したことのあるフリオ・フランコメッツ時代の2007年、48歳で盗塁をマークしている。このシーズンは2盗塁。47歳だったその前年には6盗塁をマークしていた。ロッテ時代はバットを投手方向へ寝かせた独特の構えから安打を量産し、強打者のイメージが強いが、脚力も長く衰えなかった。かつてはメジャーで30盗塁以上を何度も記録し、メジャー通算281盗塁を誇る。ロッテに在籍した1995年は11盗塁。復帰した1998年も7盗塁だった。

謎多きフリオ・フランコ…

 もちろん盗塁だけではない。フランコは数多くの最年長記録を保持している。

 48歳254日での最年長本塁打記録がまず大きく輝く金字塔。他にも代打本塁打、1試合2盗塁、本塁打と盗塁を同じ試合でマーク、などメジャー最年長記録は数知れない。

 さらに多くの球界関係者の間で通説となっているのは、本当はもっと高齢で年齢詐称をしていたのでは、という疑惑だ。

 ロッテ時代には1961年生まれとされていたが、後にメジャー復帰後に1958年と訂正された。この時点で3歳の加齢。ウインターリーグに参加した際には1954年とのプロフィールでプレーしていた時期もある。これが事実だとすると、最年長盗塁記録もフランコで52歳だったということになる。

 フランコはドミニカ共和国出身。当時の中南米出身の選手は、出生記録があいまいなケースも多かったという。また、メジャーリーグ傘下の球団と契約する際には、一つでも年齢を下に偽った方が有利に働く。その方が将来性がある、と相手に思わせるためだ。フランコに限らず、実年齢より若く偽ってメジャーの舞台に渡ってくる選手も多かった。

 100年以上昔の選手の記録では実感が沸かないだろうが、イチローは日本でも、メジャーでもフランコとともにプレーしている。最年長記録を意識する相手として、身近にも感じられるだろう。

 「少なくとも50歳までは現役」とイチローは常々公言してきた。

 3月20、21日の日本開幕戦出場は決定的だが、米本土帰国後のその後のスケジュールは白紙。生き残りのためには必死のアピールも必要で、例年になくアクセル全開でオープン戦のスタートを切った。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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