フェネルバフチェとのダービートルコ初先発を飾り、1アシストを含む2ゴールに絡む

 トルコ1部ベジクタシュのMF香川真司は現地時間25日、リーグ第23節フェネルバフチェ戦(3-3)で移籍後初スタメンを飾った。“イスタンブールダービー”という大一番で1アシストと結果を残したが、久々のスタメンに「不安も大きかった」と「DAZN」のインタビューで明かしている。

 ドルトムント通算7シーズン目の今季、香川はルシアン・ファブレ新監督の戦術下では事実上の構想外となり、ベンチ外の試合が続いた。2018年夏のロシアワールドカップ以降、日本代表からも遠ざかり、今冬の移籍市場最終日にトルコの強豪ベジクタシュへの期限付き移籍を決断した。

 デビュー戦となった3日のリーグ第23節アンタルヤスポル戦(6-2)で、途中出場からわずか16秒で初ゴールを奪うなど3分間で2得点を挙げる鮮烈パフォーマンス。その後の2試合も途中出場となったなか、フェネルバフチェ戦はトップ下のセルビア代表MFアデム・リャイッチが累積警告で出場停止ということもあり、最も得意とするポジションで移籍後初スタメンを飾った。

 トップ下に入った香川は積極的に顔を出して攻撃のリズムを作ると、前半10分に敵陣右サイドで獲得したFKでキッカーを担当。正確なクロスを送ると、その流れからトルコ代表DFギョクハン・ギョニュルが先制点を奪った。さらに前半18分、トルコ代表FWブラク・ユルマズがPKを決めてリードを広げると、前半終了間際に香川がさらなる輝きを放つ。

 ハーフウェーライン付近でこぼれ球を拾った香川は、相手守備陣の背後を狙った絶妙なスルーパスを供給。強すぎず弱すぎずのパススピードでボールを送ると、相手GKとの1対1を制したユルマズが冷静に流し込んだ。香川は1アシストを含め2ゴールに関与する働きを見せ、チームは前半を3-0で折り返した。後半は香川へ思うようにボールが集まらずにベジクタシュの攻撃が停滞。試合の流れがフェネルバフチェへと傾いて3失点を喫し、イスタンブールダービーは3-3の痛み分けに終わった。

「久しぶりの感覚を得たので、これからもっと良くなると思う」

 昨年10月30日のDFBポカール2回戦ウニオン・ベルリン戦(3-2)以来、約4カ月ぶりのスタメンとなった香川は、「久しぶりの先発ということで、もちろん不安も大きかった」と明かす。

「ウォーミングアップから久しぶりだなと感じた。今シーズン、公式戦で先発で出ることはなかなかなかったので、ウォーミングアップの雰囲気から最初の15分を含めて慣れていなかった」

 それでも、トルコでの初アシストを含め、得点に絡むことで得たものもあったという。

「得点に絡まないよりも絡んだほうが自分自身も自信を得られるし、もっともっとそういうところを増やしていきたい。次の練習からよりコンビネーションだったり、今日得たものを感じながら取り組んでいく。地道にやっていくしかない。久しぶりの感覚を得たので、これからもっと良くなると思うし、必ずやれると信じている」

 ドルトムントで失いかけていた試合勘と自信を、ベジクタシュで着実に取り戻しているようだ。(Football ZONE web編集部)

フェネルバフチェ戦で移籍後初スタメンを飾った香川【写真:(C)BesiktasJK】