20日午後17時ごろ、中国・貴州の街で男女が全裸で木に縛り付けられ、地元住民に囲まれた模様を収めた動画がSNSで拡散し、話題となった。通りかかった警官が、男女を木から降ろし派出所に連行した。その後、警察はこの騒動が不倫した夫とその愛人に対する妻の過激行為だったと発表し、現地メディアが報じた。

 報道によると、当時の気温は4、5度。男女は丸裸で、手で股間を隠しながら街道の並木に縛り付けられた。男女を囲む地元住民らは談笑しながら、スマートフォンで男女を撮影したようだ。住民の証言によれば、妻とその親族は、夫が不倫している現場に突入し、夫と不倫相手を引きずり出したという。

 中国のネットユーザーは「スゲー!ざまあみろ!」「妻は悪くない、浮気した奴が100%悪い」などと妻を称賛する声が多く集まった。一方で、「こんな鬼嫁いたら浮気するわ」「今年は2019年だよね、原始人かよ」など批判する声も上がった。

 こうした浮気相手に対する“公開処刑”は、中国では珍しいことではないようだ。

 15年4月、中国・河南で、夫の不倫を知った妻が、夫の愛人の服を引き裂き、人があふれる広場に裸のまま立たせ、公衆の面前で愛人を罵った。他にも17年3月、中国・四川で、妻が夫の浮気現場に飛び込んで浮気相手を担ぎ出し、下着姿のまま街を歩かせたという。

 ブラジルでも、似たような出来事があった。

 17年2月、妻が16歳と18歳の息子たちを連れ、夫が不貞行為をしている現場に突入、全裸の愛人を町に引きずり出した。妻は愛人の髪の毛をつかんだまま、「ほら見ろ、既婚男性と不倫する裏切り者はこうなるのよ。この尻軽女はうちの旦那と寝たのよ!今日からは元旦那だけど!」と叫び、サンパウロ市街を歩かせたという。その様子は動画で撮影されており、その後、SNSで拡散されたという。

 日本の場合、1947年10月26日の刑法改正によって、刑事罰としての姦通罪は廃止されたが、浮気された側は民事裁判で慰謝料を請求することができる。しかし、アメリカの21州、台湾、フィリピンインドネシアソマリアナイジェリアイスラム圏など一部の国では、不倫には刑事罰が下される。不倫された側による復讐劇は痛快ではあるが、SNSを駆使して行う“公開処刑”は、日本では裁判で不利になる可能性があるだろう。

画像はイメージです