TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月26日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、情報スタビライザーでジャーナリストの下村健一さんが、この先起こり得る首都直下地震とどう向き合い対策すべきか、持論を述べました。

ここ数年、専門家の間で首都直下地震が起こる可能性について、声があがっています。そこで下村さんは、首都直下地震対策のキーワードとして“レジリエンス”と“デ活”の2つを挙げます。
レジリエンスとは、回復力や弾力性などを指す言葉で「地震の衝撃にやられない強さではなく、ダメージを受けてもしなやかに立ち直る力」と解説。都市部の地震はレジリエンスが大事と下村さんは言います。また、その1つとして“デ活”こと、データの利用・活用の必要性を訴えます。

下村さん曰く、民間には防災の役に立つたくさんのデータがあるそうです。例えば、エレベーターの一つひとつにセンサーが付いていることや、携帯電話会社ではデータをうまく活用することで人々の避難の動向を把握できる可能性があるなど、これらをトータルで使えるようにしていくことで防災の可能性はさらなる広がりを見せると話します。

◆「首都直下地震」の被害試算

次に、首都直下地震で何が起きるのか、内閣府による2013年度の首都直下地震対策検討ワーキンググループデータをもとにした試算データ を紹介しました。
それによると、冬の夕方どきの発生で、都心南部を震源地と想定した場合、次のような被害が起こり得るそうです。

死者……最大2万3,000人(うち7割が焼死)
避難者……最大720万人(発生2週間後で)
停電……管内の5割で/1週間以上
ガス停止……管内の3割で/1ヵ月以上
鉄道不通……JR、私鉄 約1ヵ月/地下鉄 1週間



さらに過去の震災と比較した試算も提示。建物の全壊及び焼失の数を見てみると、阪神淡路大震災が約11万棟、東日本大震災では約12万棟だったのに比べ、首都直下地震での試算はおよそ61万棟。この数からして相当の仮設住宅が必要になることは誰の目にも明らかです。仮設住宅を10万戸と少なく見積もっても、その敷地面積は山手線の内側のおよそ6分の1に匹敵することから、「どこにそんな土地があるのか」と下村さんは疑問を呈します。

また、災害廃棄物量で比較してみると、阪神淡路大震災は約2,000万トン、東日本大震災は津波堆積物も含め約3,000万トンでしたが、首都直下地震では最大1.1億トン に及ぶと想定されており、仮置き場や処分をするための必要面積も膨大であると指摘。

これだけの甚大な被害に対する備えとして、「(これまでとは)全く別の発想をしなくてはならないのでは」と主張します。


そこで、今やるべきこととして、下村さんは「社会科学アプローチ」、「地震学的アプローチ」、「工学的アプローチ」と3つのアプローチを挙げました。

下村さんは社会科学アプローチとして、前述の“デ活”の重要性を改めて強調。保険会社の地震保険の査定に関する調査ノウハウは素晴らしいそうで、「さまざまな企業が持っている(地震対策に有益な)情報を一本化できないか。こうした情報をもっと活かし、災害時のレジリエンスに」と声を大にします。しかし、現状はまだまだと言い、取り組むべき課題が数多くあることをうかがわせました。


◆「必ず起きる」と考えること

メンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京さんは、「一人ひとりができることを」と呼びかけます。何かが起きないように祈る、願うなど目を背けるのではなく、「何かが必ず起きる」と考えるべきとし、そして起きたときに「では、何をどうする?」と行動に目を向ける“心理的レジリエンス”を個々で持つことが大事との見解を示していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

最大720万人が避難…「首都直下地震」への対策は?