作業つなぎと白いマスクという出で立ちに、不死身の肉体、そして人並み外れた怪力。黙々と人を殺し続ける恐怖の殺人鬼として、ホラー映画界きっての人気を誇るマイケル・マイヤーズことブギーマン。1978年の『ハロウィン』以来、シリーズ10作を通じて80人以上の死傷者を出してきた彼が、4月12日(金)公開となる新しい『ハロウィン』でも、恐るべき仕事ぶりを見せている。

【写真を見る】ブギーマンのお仕事がプロフェッショナルすぎる!

あの忌まわしい事件から40年…。あるジャーナリストたちが事件の真相を解明しようと、マイケルに取材を申し込むも、彼は一言も話さず、動機や感情は一切不明なまま。そんな折、ハロウィン前夜にマイケル精神病棟から刑務所へ搬送していたバスが横転し、事故に乗じてマイケルは脱走してしまう。そしてハロウィンの夜、再び街に解き放たれたマイケルと、事件の生き残りの女性ローリー(ジェイミー・リー・カーティス)は、再び相見えることに…。1作目の続編となる本作をより楽しむために、知っておきたいのが40年前の事件について。ここでは、あまりの残忍さに目を覆う、マイケルのその仕事ぶりを振り返っていこう。

■ わずか6歳にして、実姉をグサリ!そしてあのスタイルが完成

彼の初めてのお仕事、それは6歳の時の実姉ジュディスの殺害というあり得ないものだった。肉切り包丁を手に取るところから、途中でハロウィンマスクを被り、そして包丁をジュディスの胸元に何度も振り下ろすまでの躊躇と無駄のない動きは、その才能の片鱗を早くも見せつけている。しかもこのシーンは彼の視点から捉えられており、名作の幕開けにふさわしい、衝撃的すぎるものだった。

第二の殺人は、姉を殺してから15年後のこと。精神病院に収容されていたマイケルは、出廷のため移送される日に、病院から抜け出し車を奪って脱走すると、道中で修理工の男性を殺害。その際に作業つなぎを奪い、彼の“ブギーマンスタイル”が完成した。

■ 豊富なアイデアで、次々に殺りまくる!

その後、故郷に戻りハロウィンの夜にベビーシッターのバイトをする女子高生のローリーにターゲットを絞ると、まずは彼女の友人アニーを車の中で待ち構えて素手で絞殺。その死体を、墓地から盗みだした姉の墓標と共にベッドに横たえるという、さらにむごさを助長させる仕打ちまで。

ローリーの友人であるリンダの彼氏、ボブ殺しでは、圧倒的な怪力で彼を首から片手で楽々持ち上げると、もう一方の手に握られたナイフでひと突き!あまりのパワーに、死体は壁で磔(はりつけ)状態に…。微動だにしなくなったボブを、首を傾げながら見つめるブギーマン。獲物は確実に殺ったか?その確認を怠らない、まさにプロフェッショナルの鏡だ。

続けて5人目のリンダの時には、もはやエンタテインメント性すら発揮するように。ボブが死んだとも知らず、彼を寝室で待つリンダの元へ向かうブギーマン。なんと、マスクの上からベッドシーツを被り、その上からボブのメガネを掛けた“幽霊姿”というおちゃめな(?)演出付きで登場するのだ。ボブだと思わせてリンダを欺くという、実用性もしっかり兼ねた天才的なこのアイデア。難点をあげるなら「視界の確保は大丈夫かな」と心配になるところだが、ブギーマンにはそんなの関係なし!すっかりボブだと思い込んで、電話をするリンダをコードで絞め殺し、その場にある凶器で対応するという柔軟性の高さも見せたのだ。

5人5様のスタイルで、殺しの幅を見せつけ、観る者を縮み上がらせる“プロ中のプロ”ブギーマン。新作では、どんなファンタスティックなお仕事ぶりで、我々を驚かせてくれるのだろうか?(Movie Walker・文/トライワークス)

ブギーマンのお仕事を振り返る!