TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月22日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の三輪記子さんが、最高裁判所性犯罪の研修資料を全国の裁判所に配布したニュースについて、持論を述べました。

最高裁判所は、性犯罪被害への理解を深めることを目的に、精神科医の講演録や裁判官との質疑応答をまとめた研修資料を初めて作成。これを全国の裁判所に配布しました。

◆資料配布までの流れ

三輪さんはまず、今回配布に至った流れについて説明します。

2014年10月2015年8月にかけて、法務省内で有識者会議「性犯罪の罰則に関する検討会」が行われました。ここでは、強姦罪の法定刑の下限引き上げ、被害者・加害者の性差をなくすことなどを論点とし、性犯罪の罰則のあり方について検討されました。

その後、2016年9月には法制審議会が法務大臣に対し、刑法改正要綱骨子を答申。性犯罪の罰則を強化する刑法改正に向けての動きを見せました。

そして、2017年6月に刑法の一部改正が成立し、7月13日(木)より施行。この際に、衆議院参議院で、施行についての意思や意見を表明する附帯決議がありました。

附帯決議では、被害者の心理を十分理解していない判決があるとの指摘を鑑み、裁判所は今後も心理学的・精神医学的知見などについて調査研究を推進していくこと、そして、司法警察職員や検察官、裁判官らに対し、性犯罪に直面した被害者の心理などについて、知見を踏まえた研修を行うことが表明されていました。


◆被害者が裁判官に求めるものは…

三輪さんは、最高裁が研修資料を初めて作成・配布したことについて「被害者は(心情として)知見や理解の深い裁判官に判断してほしいと思うもの」とし、その動きを評価。そして、被害者はもちろん、被告人の人生も左右する判決の重要性を強調しました。

メインMCの堀潤は、裁判官のあるべき姿として、原発関連のある裁判を例に挙げます。原告側である地域住民につく弁護士は、裁判官に向け「とにかく現地を見に行ってほしい。そして検証してほしい」と訴えかけていたそうです。その裁判官は、「ちゃんと被災地に行き、自分の目で見て、(現地の声を)聞いて、審理を続けると宣言していた」と言い、堀自身も「裁判官はそうあってほしい」と語りました。


◆「知ること」が一助になる

三輪さんは、裁判官だけが知見を深めればいいのではないとし、「印象だけではなく、被害者がどのような気持ちになるのかという実態を、世の中全体が知っておくべき」と主張。そうした流れが一助となり、「被害に遭った人が声を上げやすくなるし、被害者が偏見で攻撃されることも少なくなるのでは」と述べます。

最後に、「犯罪被害は、いつどこで誰が遭うかわからない」と、誰しも被害者になる可能性があると話す三輪さん。「自分は被害に遭ったことがなくても、実は言い出せないだけで、身近なところに被害に遭った人がいるかもしれないということを知っておいてほしい」と呼びかけていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

性犯罪の研修資料を最高裁が配布… 被害者心理、誰が知っておくべき?