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このほどドイツから「さすが動物愛護先進国だ」と言えるような話題が届いた。マンホールの蓋にある穴から体が抜けなくなったドブネズミのために、消防隊員が駆けつけ救助にあたったのだ。普段は害獣扱いされるネズミに対して、懸命に救助にあたった消防士に称賛の声があがっている。『Mirror』『CTV News』などが伝えた。

ヘッセン州ベルクシュトラーセ郡ベンスハイム市の路上で今月24日の午後、マンホールの蓋の穴から体が抜けなくなった太ったドブネズミが、通りを歩いていた家族によって発見された。およそ1.5ポンド(約680グラム)はあるとみられるドブネズミは「キー、キーッ」と金切り声をあげていた。

どうやら下水道から地上に出ようとしたが、穴を通り抜けようとして頭までは通れたものの下半分が抜けなくなったもようだ。発見者のジュリアナさんは夫と共にドブネズミをなんとか穴から救おうとした。

ジュリアナさんは当時の様子をこう話している。

「私達はネズミを救おうと、革の作業手袋をつけて慎重に穴からねじり出そうとしました。だけどネズミは怯えてものすごい声をあげ、手袋に噛みついてきたのです。」

結局ジュリアナさんは、地方自治体の動物救助団体と消防署にネズミの救助を委ねることとなった。英メディア『Mirror』によると、現場では7人の消防士が救助にあたったと報じているが、実際には動物救助団体のスタッフを含め9人ほどがドブネズミのために現場に駆けつけたことが動画で確認できる。

みなが見守る中、ドブネズミの救助が行われた。ある者が動物捕獲用の棒の先にある輪っかの部分でネズミの体を固定し、他の3人はマンホールの蓋を持ち上げてクサビで蓋を浮いた状態に保った。そして蓋の裏から慎重に、手でドブネズミの体半分を優しく押し出し、見事穴から解放することができた。

その後、消防士らは救出したドブネズミを再び下水道へと戻している。害獣として忌み嫌われ、その場で殺されても不思議ではないドブネズミだが、寛容な対応をした消防士に称賛の声があがった。

救助にあたった「アウエルバッハボランティア消防署」のFacebookには「救助してくれてありがとう」「小さな生き物でも救ってくれたことに感謝です。尊敬します」といった言葉が次々と寄せられた。

動物救助団体のマイケル・ゼーアさん(Michael Sehr)によると、「ドブネズミは冬だったこともあり、栄養を蓄える意味で脂肪がついていた」と語っている。そして「私達とともに救助してくれた、消防署の皆さんは本当に良いチーム仲間です」と付け加えた。

今回、マイケルさんと消防署には、第一発見者のジュリアさんの2人の子供達が感謝を込めて描いたドブネズミの絵が贈られたとのことだ。

画像は『Berufstierrettung Rhein Neckar 2019年2月24日付Facebook「Einsatznummer: 217/2019 Datum: 24.02.2019 um 13:50 Uhr Einsatzort: Schillerstrasse, 64625 Bensheim – Auerbach」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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