ノイアーに絶大な信頼を置くレーブ監督、26歳のテア・シュテーゲンを起用するか

 世界を代表する守護神となったバルセロナドイツ代表GKマルクアンドレ・テア・シュテーゲンが、代表でのGK争いについてバイエルンGKマヌエル・ノイアーに“宣戦布告”を行った。ドイツメディア「SPORT BUZZER」が伝えている。

 ドイツは昨夏に行われたロシアワールドカップ(W杯)で史上初のグループリーグ敗退。正GK選びにあたって、世間では怪我のため1年近く戦列を離れていたノイアーではなく、バルセロナで何年も素晴らしいパフォーマンスを見せているテア・シュテーゲンを起用すべきとの声もあったが、ヨアヒム・レーブ監督は迷うことなくノイアーを守護神に指名した。

 W杯終了後、多くの専門家とファンは、レーブ監督が世代交代を行うだろうと予測。なかでも、バルセロナの守護神として安定した戦いぶりを見せているテア・シュテーゲンにチャンスが訪れると考えていた。実際、W杯当時は舞台裏で多くのドイツ代表メンバーがテア・シュテーゲンを支持していたとも伝えられている。

 しかし、レーブ監督はノイアーに信頼を置き、2018年9月から11月にかけて行われたUEFAネーションズリーグでも全試合で起用。ドイツはこの大会でW杯の屈辱を晴らしにいったが、悪い流れを断ち切ることができず、リーグAのグループ1で最下位となり、リーグBへの降格が決まった。

 最悪の2018年を終えたドイツ代表に対しては、欧州選手権2020予選を前に“改革”の必要性が叫ばれており、マンチェスター・シティMFレロイ・ザネ、成長著しい19歳のレバークーゼンMFカイ・ハベルツ、パリ・サンジェルマンDFティロ・ケーラーの招集など、フィールドプレーヤーについては世代交代が行われつつある。しかし、レーブ監督は欧州選手権に向けてもベテランのノイアーへの信頼を依然として口にしている。

「マヌをリスペクトしているけど、改革が行われてほしいという気持ちを隠しもしない」

 世界最高峰のGKと評価されながら、代表では長く2番手に甘んじているテア・シュテーゲンは、こうした状況を受け入れることができないようだ。26歳の守護神は「DAZN」のインタビューで、「自分がもっと良くなると思っていなかったら、そもそもとっくに辞めている」とコメント。「マヌ(ノイアーの愛称)がドイツのために果たしてきたことは、完全にリスペクトしているけど、僕はGKというポジションについても改革が行われてほしいと思っているし、その気持ちを隠しもしない」と明言した。

 テア・シュテーゲンは、現地時間27日に行われた宿敵レアル・マドリードとの国王杯(コパ・デル・レイ)準決勝第2戦でゴールを死守。前半37分には元フランス代表FWカリム・ベンゼマのシュートを右足で防ぐ敏捷さも見せ、3-0での勝利と決勝進出に尽力している。

 世界最高峰のクラブで正守護神として長年活躍しているテア・シュテーゲン。これまでバルセロナUEFAチャンピオンズリーグ、3度の国内リーグ優勝、4度の国王杯制覇に貢献してきた男の“要求”は、レーブ監督の耳に届いただろうか。(Football ZONE web編集部)

(左から)GKノイアー、GKテア・シュテーゲン【写真:Getty Images】