リーガエスパニョーラ第26節、レアル・マドリーvsバルセロナによる“エル・クラシコ”が日本時間2日28:45にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフされる。逆転優勝に勝利必須の3位レアル・マドリー(勝ち点48)と、宿敵に引導を渡す勝利を目指す首位バルセロナ(勝ち点57)による、クラシコ3連戦を締めくくる世界注目の一戦だ。

前節、レバンテ相手に“疑惑のPK”もあって2-1で辛勝したマドリーは辛くも逆転でのリーガ優勝にわずかながら望みを繋いだ。しかし、3日前に行われたコパ・デル・レイ準決勝2ndレグではアウェイゴール1つのアドバンテージを持ちながらも、宿敵相手にホームで0-3の屈辱的な大敗を喫し、コパ準決勝敗退となった。チャンスの数を含め全体的なパフォーマンスは悪くなかったが、攻撃陣がことごとくチャンスを逃してしまい、大エースFWクリスティアーノ・ロナウド不在を改めて感じさせる敗戦となった。

その敗戦から中2日で迎える今回のクラシコに関しては、仮に勝利しても逆転優勝が難しいこともあり、5日に控えるチャンピオンズリーグ(CL)のアヤックス戦を優先すべきとの考えもある。しかし、リーガでの前回対戦の1-5の大敗に続き、3日前にホームで大敗したことを考えると、厳しいマドリディスタの目の前でこれ以上恥を晒すわけにはいかない。

対するバルセロナは、前節のセビージャ戦ではチーム全体のパフォーマンスは低調も3ゴール1アシストと圧巻の輝きを見せたエースFWメッシに救われて貴重な勝ち点3を手にした。前述のコパ・クラシコでは逆にメッシが珍しく精彩を欠いた中、守護神テア・シュテーゲンのビッグセーブ、“マドリーキラー”になりつつあるFWスアレスを中心とした攻撃陣の効率の良さにも助けられ敵地で大勝。前人未到のコパ5連覇に王手をかけた。

リヨンセビージャマドリーと続いた厳しいアウェイ4連戦を締めくくる今回の一戦では勝ち点1を持ち帰るだけでも御の字だが、次節の対戦相手が降格圏に沈むラージョということもあり、もうひと踏ん張りして宿敵に引導を渡す勝ち点3奪取を狙いたい。

レアル・マドリー
【4-3-3】

レアル・マドリー予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:クルトワ
DF:カルバハル、ヴァラン、セルヒオ・ラモス、レギロン
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:ルーカス・バスケス、ベンゼマ、ヴィニシウス
負傷者:DFセルヒオ・ラモス、MFマルコス・ジョレンテ
出場停止者:DFナチョ

前節のレバンテ戦で退場したナチョが出場停止となる。負傷者に関してはマルコス・ジョレンテが引き続きメンバー外となったが、負傷明けのイスコがメンバー入りを果たした。軽傷を抱えながら招集メンバー入りしたセルヒオ・ラモスに関しては試合当日午前にチェックが行われる予定だ。

3日前の試合ではスコアこそ0-3も、内容面はそれほど悪くなくGKをクルトワに戻す以外に大幅な変更は行われない模様だ。変更の可能性があるとすれば、左サイドバックにマルセロを起用し、ルーカス・バスケスのところをベイルあるいはアセンシオに代えるぐらいだろう。

バルセロナ
【4-3-3】

バルセロナ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:テア・シュテーゲン
DF:ネウソン・セメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:セルジ・ロベルトブスケッツ、ラキティッチ
FW:メッシスアレス、デンベレ
負傷者:DFヴェルメーレン、MFラフィーニャ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱のラフィーニャとヴェルメーレンが欠場する。また、戦術的な判断でボアテングとムリージョらが招集メンバー外となっている。

スタメンに関してはマドリー同様に直近のコパから大きな変更はないと思われるが、ブスケッツ、ラキティッチの相棒に関してはセルジ・ロベルトからビダルやアレーニャへの変更の可能性はあるかもしれない。また、前節のセビージャ戦で戦列復帰を果たしたユムティティがラングレの代わりを務める可能性も考えられる。

★注目選手
レアル・マドリー:FWヴィニシウス・ジュニオール
Getty Images
レアル・マドリーの注目プレーヤーは新進気鋭のドリブラーのヴィニシウスだ。“NEXTネイマール”と評される18歳はソラーリ新体制で左ウイングのポジションを掴むと、驚異的なスピードとテクニックを生かした圧倒的な突破力でマドリディスタのハートを早くも鷲掴みにしている。さらに、ここ最近のパフォーマンスを評価されて自身の夢だったセレソン初招集も手にした。

抜群のバランス感覚で後方支援するレギロン、阿吽の呼吸を見せるベンゼマと共に白い巨人の新たなアタッキングユニットで主要キャストを担うヴィニシウスだが、以前から指摘されるフィニッシュの精度は要改善だ。直近のコパ・クラシコでは相手守護神テア・シュテーゲンを褒めるべきではあるが、ヴィニシウスが再三の決定機を決めていれば、結果が変わっていたことも事実だ。崩しの局面で違いを見せ、守備でも奮闘する18歳にこれ以上の要求は酷だが、クリスティアーノ・ロナウド不在のマドリーが宿敵を破るために超逸材のクラシコ初ゴールが必要だ。

バルセロナ:FWリオネル・メッシ
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バルセロナの注目プレーヤーは大エースのメッシだ。クラシコ通算40試合で歴代最多の26ゴールという圧巻の数字を残すメッシだが、直近のコパ・クラシコでは、ハットトリックを記録した前節セビージャ戦での疲れが出たか、ゴールはおろか珍しく低調なパフォーマンスに終始した。ただ、メッシはモチベーションが上がらないのか、これまでコパ・デル・レイのクラシコでは1度もゴールを決めたことがなく、ある意味通常運転といったところだ。

その一方でリーガでのクラシコでは前回対戦を負傷欠場したものの、出場した直近の3試合ではいずれもゴールを記録。さらに、リーガクラシコで決めた18ゴール中、11ゴールをサンティアゴ・ベルナベウで決めており、コパでの沈黙がマドリー陣営にとって非常に不気味に映っていることだろう。果たして得意のベルナベウで宿敵に引導を渡すゴールは生まれるのか。
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