3月5日(火)、2019シーズンのアジア王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が開幕する。日本からは、Jリーグ王者の川崎フロンターレ天皇杯王者の浦和レッズ、そしてプレーオフを勝ち上がった、サンフレッチェ広島鹿島アントラーズの4チームが出場する。

東地区のグループGに入ったのは、2018シーズンの天皇杯王者である浦和レッズだ。

今回は、浦和が入ったグループGの各チームのACLにおける成績や注目選手などを紹介したい。


■グループG

北京国安(中国)
ブリーラム・ユナイテッド(タイ)
全北現代モータース(韓国)
浦和レッズ(日本)

★2017年の王者、3度目のアジア制覇なるか!
浦和レッズ(日本/7回目)

【出場資格】
天皇杯2018 優勝
【前回出場】
2017年
【前回大会】
不参加
【最高成績】
優勝(2007、2017)
2018シーズンはリーグ戦で躓きを見せ、シーズン途中で監督交代。2017シーズンのACL制覇に貢献した堀孝史監督に代わり、鹿島アントラーズを率いた経験のあるオズワルド・オリヴェイラ監督が就任した。

オリヴェイラ監督就任後はチームも立ち直り、終わってみれば5位。さらに、天皇杯を勝ち進むと、決勝ではベガルタ仙台を下し優勝。ACLの出場権を獲得した。

今シーズンはリーグタイトルの他、3度目のACL制覇を目指し大型補強を敢行。DF鈴木大輔(柏レイソル)、DF山中亮輔(横浜F・マリノス)、FW杉本健勇(セレッソ大阪)らを獲得。リーグ制覇とACL制覇をメインに掲げ、赤い悪魔が動き出す。

【注目選手】
(C)CWS Brains,LTD.
FW興梠慎三(日本)
1986年7月31日(32歳)
多くの新戦力にも注目だが、浦和のタイトル獲得には欠かせないのがFW興梠慎三だ。

今シーズンも主力としての活躍が期待される興梠だが、ACLでは日本人選手でダントツの18ゴールを記録。これは歴代9位に位置する数字だ。

今シーズンから2トップになることが濃厚で、相棒となるFW杉本健勇とのコンビネーション確立はACLでのカギとなるだろう。

シュミット体制でチーム最高成績を残せるか
北京国安(中国/8回目)

【出場資格】
中国FAカップ2018 優勝
【前回出場】
2015年
【前回大会】
不参加
【最高成績】
ベスト16(20102015)
4シーズンぶりにアジアの舞台へと復帰して来た北京国安。近年は中国スーパーリーグで結果を残せない時代が続いていた。

2017シーズン途中に、かつてレバークーゼンを率いたロジャーシュミット監督を招へい。すると、2018シーズンは序盤から首位を快走。しかし、終盤に失速し4位で終えた。

それでも、中国FAカップで4度目の優勝を果たしACLに出場。チーム最高のベスト16超えを目指して戦う。

【注目選手】
Getty Images
MFレナト・アウグスト(ブラジル)
1988年2月8日(31歳)
注目は現役ブラジル代表MFレナト・アウグストだ。ロシアワールドカップにも出場したレナト・アウグストは、2016年に北京国安に加入。それ以降、チームの中心として活躍。ブラジル代表としてもチッチ監督の下で、ポジションを掴んだ。

アンカーの位置からのゲームメイクや、バランスを取る動きは秀逸。さらに、昨シーズンはリーグ戦で10ゴールを記録するなど、北京国安の心臓と言ってもいい存在だ。

★最多出場の意地で3年ぶり優勝なるか
全北現代モータース(韓国/12回目)

【出場資格】
Kリーグクラシック 2018 優勝
【前回出場】
2018年
【前回大会】
ベスト8
【最高成績】
優勝(2006、2016)
韓国初の市民クラブであり、多くの国内タイトルを獲得している強豪クラブ。ACLも過去2度制するなど、アジアでも結果を残しているクラブだ。

しかし、2016年に2013年に行なっていた審判買収疑惑が浮上し、罰金処分に加え勝ち点を剥奪。2014年から続くリーグ3連覇は逃したものの、2017年、2018年と再び連覇している。

今シーズンからポルトガル指揮官のホセ・モライス監督が就任。モライス監督はジョゼ・モウリーニョ氏の下で、ポルトチェルシーレアル・マドリーインテルアシスタントコーチを務めて来た。

監督としては、イエメン代表やチュニジアのエスペランストルコアンタルヤスポル、ギリシャのAEKアテネなどを指揮。ACLの舞台での手腕にも期待がかかる。

【注目選手】
Getty Images
FWキム・シンウク(韓国)
1988年4月14日(30歳)
全北現代の注目選手は、何度となく日本勢の前に立ちはだかった韓国代表FWキム・シンウクだ。

ロシアワールドカップにも出場したキム・シンウクは、2016年2月に蔚山現代から全北現代に加入。これまでACLで38試合に出場し15ゴール10アシストと結果を出しており、日本勢との対戦でも脅威となっている。

高さを生かした空中戦の強さは折り紙つきで、今大会でもどのようなパフォーマンスを見せるのか注目だ。

★タイ屈指の強豪クラブ、アジア制覇なるか
ブリーラム・ユナイテッド(タイ/8回目)

【出場資格】
タイリーグ1 2018 優勝
【前回出場】
2018年
【前回大会】
ラウンド16
【最高成績】
ベスト8(2008)
タイ国内でも屈指の人気を誇り、国内屈指の強豪クラブであるブリーラム・ユナイテッド2018シーズンはタイ・リーグ1で優勝し連覇を達成。ACL出場権を獲得した。

指揮を執るのはモンテネグロ指揮官のボジダール・バンドビッチ監督。オリンピアコスでも指揮を執ったことがあるバンドビッチ監督は、2017年6月からチームを率いている。

また、今冬は日本に所縁のある選手を補強。柏レイソルから元日本代表MF細貝萌、フォルタレーザからFWペドロ・ジュニオールを獲得し、アジアでも戦える戦力を整えた。

【注目選手】
Getty Images
MF細貝萌(日本)
1986年6月10日(32歳)
注目は、今シーズン柏レイソルからブリーラムに加入した元日本代表MF細貝萌だ。

浦和レッズでキャリアをスタートさせ、ブンデスリーガではアウグスブルク、レバークーゼン、ヘルタ・ベルリンシュツットガルトプレー。さらに、トルコのブルサスポルでもプレーし、経験は豊富。

日本代表としてもアジアでの戦いで強さを見せており、2007年には浦和レッズの一員としてACL制覇を経験。ブリーラムにとっても細貝は重要なピースとなるだろう。
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