5日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2019が開幕を迎える。プレーオフから勝ち上がったサンフレッチェ広島は、アウェイで中国の雄・広州恒大と対戦する。

◆苦しんで勝ち取った出場権

2018シーズンの明治安田生命J1リーグを2位で終えた広島は、プレーオフでタイのチェンライ・ユナイテッドと対戦。主力メンバーにケガ人が相次いだため、若手主体のイレギュラーなメンバーで戦った。

開始早々にPKをゲットするも、FW皆川佑介のシュートはセーブされ失敗。悪いスタートとなると、その後も試合を支配していくが得点が生まれず、ゴールレスのまま120分間が終了。PK戦にもつれ込んだ末、なんとか勝利し、本大会出場を決めた。

リーグ戦連続ドロー、攻撃に課題

今シーズンの広島は、開幕戦で清水エスパルスと戦い1-1のドロー。第2節ではジュビロ磐田と戦い、0-0のゴールレスドローに終わった。2試合ともに守備陣の奮闘が光ったものの、攻撃陣は不発。開幕戦のゴールも、0-1のビハインドの状況で、こぼれ球を新加入のDFエミル・サロモンソンが豪快に沈めたものだった。

開幕戦はFW渡大生、第2節はFWパトリックが先発。チャンスこそ作り出していくものの、フィニッシュの精度を大きく欠いている状況だ。

今シーズンは昨シーズンの[4-4-2]から[3-4-2-1]と従来のシステムに戻している状況。サイドからの崩しが多くなった一方で、MF青山敏弘の離脱が影響しているのか、中盤からの効果的な崩しがあまり見られていない。前線への好パスが減っていることも、得点が生まれない状況を生み出していると言えるだろう。

19歳の守護神GK大迫敬介をはじめとして守備陣が奮闘しているだけに、攻撃陣の躍動が待たれる。

◆3度目制覇を狙う広州恒大

中国スーパーリーグを7連覇、ACLも2度制したことがある広州恒大。しかし、2018シーズンの中国スーパーリーグでは、上海上港に優勝を奪われ、8連覇を逃していた。

ファビオ・カンナバーロ監督率いる広州恒大は、今オフにFWアランを天津天海へ、FWリカルド・グラルをパルメイラスへと放出。アジアでも結果を残してきた助っ人を手放したものの、中盤にはバルセロナから買い戻したブラジル代表MFパウリーニョ、そしてベンフィカから買い取ったMFタリスカが所属している。また、中国代表選手も多く所属しているチームだけに、経験値と能力の高さはアジアでもトップクラスだ。

先週末に開幕した中国スーパーリーグでは、開幕戦の天津天海戦で3-0と快勝。タリスカ、パウリーニョも先発出場し、北京国安から加入のFWウェイ・シーハオはゴール。勢いを持った状態で広島を迎える。グループ内では首位通過最有力とされているだけに、広島としては厳しい戦いが待っているはずだ。

サンフレッチェ広島予想スタメン


GK:中林洋次
DF:荒木隼人、井林章、水本裕貴
MF:森島司、和田拓也、松本大弥、清水航平
MF:東俊希、野津田岳人
FW:ドウグラス・ヴィエイラ
監督:城福浩

第2節の磐田戦で先発したメンバーのほとんどが中国遠征に帯同せず。MF野津田岳人、MF松本泰志、MF吉野恭平の3名だけが中国へやってきた。大幅なターンオーバーを敢行する広島は、ほとんどの選手が今季初先発となる。新加入のDF荒木隼人、DF井林章、MF松本大弥、MF東俊希、FWドウグラス・ヴィエイラが先発すると予想。ACLプレーオフと似たような状況が予想され、広州恒大と立ち向かうには難しさが残る。

◆注目選手
MF東俊希(18)
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広島の注目選手は、2シャドーの一角で先発が予想されるMF東俊希だ。今シーズンはACLプレーオフで途中出場しトップチームデビューを果たすと、清水戦、磐田戦にも途中出場。ケガ人がいる状況ではあるものの、しっかりと試合経験を積んでいる。プレシーズンに行われた「2019Jリーグ アジアチャレンジinタイ」のチョンブリ戦では、左足で豪快ゴール。城福監督が期待を寄せ、世代別代表にも呼ばれている東が、チームを活性化させられるかに期待だ。
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