フェリングに関する疑問やルールをわかりやすく解説し、審判についての理解・関心を深めてもらうことを目的にスタートしたJリーグの公式番組『Jリーグジャッジリプレイ』。

好評を受け、今年も継続されている同番組の2019シーズン第2回が3月5日(火)にDAZNで配信された(※金曜にJリーグのYouTube公式チャンネルでも配信)。

今回取り上げられているのは3月1日から3日にかけて行われた明治安田生命J1リーグおよびJ2リーグで飛び出した、この4つ判定だ。

【1】J1 第2節
湘南ベルマーレvsFC東京
59分 森重真人(FC東京
フリーキック→ゴール?の場面

【2】J2 第2節
京都サンガvs鹿児島ユナイテッド
57分 冨田康平(京都)
※遅延行為→警告2つ目で退場の場面

【3】J1 第2節
川崎フロンターレvs鹿島アントラーズ
27分 町田浩樹(鹿島)
※ゴール取り消しの場面

【4】J1 第2節
横浜F・マリノスvsベガルタ仙台
25分 マルコス・ジュニオール(横浜FM
※PK獲得の場面

この中でも、「フライデーナイトJリーグ(金J)」として行われた川崎フロンターレvs鹿島アントラーズのジャッジは大きな話題となった(動画3:48~)。

鹿島アントラーズDF町田浩樹の鮮やかなヘディング弾がノーゴールとなった場面だ。

番組に出演する原博実Jリーグ副理事長、平畠啓史氏ともにこの試合を現地で見ており、平畠氏は「現場で見ていて、誰がどのファウルでノーゴールなのかまったく分からなかった」という。おそらく観客の多くが同じだったと思われる。

原氏も「町田(浩樹)はオフサイドじゃないと分かりました。ただ違うファウルがあったか、一人ゴールキーパーの前にいたのが分かったのでそのポジションのことか、どちらかかなと思っていたんですけど、思わずDAZNで見返しました。そうしたら、あー、土居聖真がこれは関与しているな、オフサイドだなというふうに思いましたね」とこの場面を振り返っている。

正しいDAZNの使い方といえるかもしれないが、そう、この場面はGKの前に立っている土居聖真がオフサイドだったのだ。

具体的には、競技規則の第11条「オフサイド」の以下の部分に該当する反則となる。

オフサイドポジションから移動した、あるいは、オフサイドポジションに立っていた競技者が相手競技者の進路上にいて相手競技者がボールに向かう動きを妨げた場合、それにより相手競技者がボールをプレーできるか、あるいは、チャレンジできるかどうかに影響を与えていれば、オフサイドの反則となる。その競技者が相手競技者の進路上にいて(相手競技者をブロックするなど)相手競技者の進行を妨げていた場合、その反則は第12条に基づいて罰せられなければならない。

原、平畠の両氏とともに番組に出演したJFA審判委員会副委員長レイモンドオリバー氏も今回の判定に関して、「一級品の判定だというふうに私は副審を褒めたいと思います。素晴らしいです」とべた褒め。難しいシチュエーションでなされた“ワールドクラス”のレフェリングだったようだ。

これを受けて原氏は「『素晴らしいジャッジ賞』を作りますか?」と発言。番組最後には「やります!」と強く宣言していた。

誤審でたびたび話題となるレフェリーだが、選手同様ミスもあれば逆にスーパープレーもある。この判定はまさに後者であり、良い判定が称賛されることもまた「審判の技術向上」において大きな意味を持つに違いない。

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ほかの3つの判定についても三者が率直な感想を述べるなど、Jリーグ、さらにはサッカーを楽しむ上で非常に良質なコンテンツとなっている『Jリーグジャッジリプレイ』。

番組では取り上げる判定を毎週募集しているので、試合で気になる判定があったら「#Jリーグジャッジリプレイで取り上げて」のハッシュタグを付けてツイートだ。

Jリーグの「気になる判定」をチェック!原博実氏が思わずDAZNで見返したプレーって?