相変わらず日系車が好調の中国自動車市場だが、一方で撤退を決めた日本メーカーもあり、日本以外の海外メーカーでも撤退が見られるという。中国メディアの今日頭条はこのほど、なぜ海外メーカーが中国市場から撤退しているのかについて分析する記事を掲載した。

 記事によると、2013年にはスペイン自動車メーカーのセアト、15年にはドイツオペルが中国市場から撤退しており、オペルは中国進出から21年も経っていたが撤退したという。しかし、18年にスズキが中国からの撤退を表明したことは、中国の自動車市場にとって大きな衝撃となったようだ。

 スズキオペルと同様、20年以上前から中国に進出している。そんなスズキが中国での現地合弁生産の撤退に踏み切ったのには、中国における消費者のニーズが変わってきたことがあると記事は分析。軽自動車を得意とするスズキは、アルトスイフトなどの安くてコンパクトな車を得意としてきた。しかし、中国では高級な大型車やSUV車が人気となってきており、販売台数が減少していたと伝えた。

 これに加えて、中国の自動車市場全体に言えることとして、中国メーカーが政府の優遇政策を受けて海外メーカーを追いあげてきていること、さらには自動車市場の成長鈍化による競争激化も追い打ちをかけていると伝えている。

 もっとも、中国市場から撤退しているのは自動車分野だけではない。記事は、マクドナルドが中国企業に事業を売却したことやスマホなどの電子産業でも海外メーカーの撤退が目立っているとしている。相次ぐ外資の撤退は、中国からすると決して喜ばしいことではないはずだ。それだけ中国市場の競争が激化していることの表れなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国市場から撤退する自動車メーカーが増えているのはなぜ?=中国メディア