株式会社東洋館出版社(本社:東京都文京区、 代表取締役社長:錦織圭之介)は、現役小学校教諭である江澤隆輔氏による著書『教師の働き方を変える時短 5つの原則 40のアイディア』を2019年3月9日に刊行します。現在広く問題になっている、教師の長時間労働を解消するための提言と、具体的な対応策を盛り込んだ1冊です。
○多くが過労死ライン越え、「長時間労働=いい先生」という図式
 近年、教師の多忙な状況が広く知られるようになってきました。連合総研が行った調査結果によると、なんと小学校教員の7割強、中学校教員の9割が過労死ラインに達しているといいます。
 朝から子どもを迎え、日中は授業や児童対応、放課後は会議や授業準備、保護者対応、クラブ活動や部活動……。休む間もなく朝から夜遅くまで子どものために、多くの教師が尽力しています。
 その一方、「長時間働いている=いい先生」という考え方が、学校には色濃く残っています。「いつも夜遅くまで職員室に残っている」「土日もクラブ活動や部活動にがんばっている」といった先生方の熱意や働きには本当に頭が下がります。しかし逆に「夜遅くまで職員室に残ってこそ」「土日も部活をやって当然」といった風潮があるようです。

○教師も労働者
 勤務時間後に保護者からの電話に対応する、夜中に起きた生徒のトラブルに介入する、土日も学校に出てきて部活の指導をする……こうした先生方の姿は、「聖職」として当然のものと見なされてきました。
 しかし、立ち戻って考えれば、教師も1人の労働者です。そもそも公立学校の教員は、給与月額に4%が上積みされる教職調整額があるかわりに、時間外手当を支給されることがありません。土日も部活動等で出勤した場合も、わずかな手当が出るのみです。
 働き方改革が叫ばれる現在、教師だけが無償で長時間働くという状況には、メスを入れることが必要です。

○学校に足りていない効率化・業務改善
 こうした状況の一方で、学校という組織は、業務改善・効率化の波が十分浸透していないといえます。保護者への連絡や教職員同士の会議での配付物など、いまだに紙文化が根強く残っています。また、ICTの導入も多くの学校では不十分です。教育機関としての機密性や制限はあるものの、組織として効率化・時間改善を行う余地が多く存在するのです。
 また同時に、「手作り・手を掛けてこそよい教師」という考え方も同時に根強く、なにもかも教師が自分でやるべきとする風潮があります。ですが、例えばミニテストの丸付けは、全部先生がやらないといけないのでしょうか? 子どもの提出状況をすべて先生がチェックすべきなのでしょうか? むしろ子どもたち自身に任せることで、時間の節約になると同時に、子どもたち自身の力を育むことにもつながるはずです。

○「効率的に働くいい教師」を増やしていこう

 教師には、生徒指導をはじめとする子どもと向き合う時間など、効率化にそぐわない仕事もある一方、積極的に効率化し、他に時間を向けてよい仕事もあります。
 短時間で効率的にやるべきことを済ませ、プライベートの時間に校外で多くを学び、授業や子どもたちとの関わりに生かす先生だって「いい先生」です。あるいは、趣味や経験を子どもたちの学びに生かす、そんな素敵な先生もいらっしゃいます。
 今後の教師は「自分がどのように働き、どのような教師を目指していくのか」を考える必要があります。そのための1つの提案が、本書が大事にする「効率的に働き、子どもの学びを効果的にするための時短」です。本書に記した、そのための提言や、具体的な提案・アイディアをぜひ参照して頂きたいと思います。

 

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配信元企業:株式会社 東洋館出版社

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